課題非従事行動への対処法を向上させる上で教員養成課程で習得可能な、初任期にも独習可能な活動の可能性について検討した。 指導言の多様化に寄与する可能性が経験的に指摘されている、イラストや風景にコメントする活動について、学部学生を協力者として実験を行い、児童の言動への観察や背景に関する推論を促すという、即効性のある副次的効果があることを確認した。 また、現職教師への質問紙調査により、児童の観察の細やかさは、初任校での経験に影響されている可能性を確認した。特に、初任期に課題非従事行動を頻繁にとる児童と数多く(または継続的に)かかわる経験が、観察の細やかさに負の影響を及ぼしている可能性が見出され、適切な指導のための観察力は経験によって向上するとは限らないこと、意識的に観察力を向上させる取り組みが必要であることを指摘した。
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