日本とアメリカにおけるドクロリー・メソッドによるカリキュラム開発の実態とその普及に関する資料調査を実施した。今年度は、先行研究と一次資料に関する資料所在調査を中心に行った。日本とアメリカの両国において以下の調査を実施し、関係資料の発掘・収集を行った。特に、事例としてとりあげる教師に関しては、実践記録や自伝、回想録、インタビュー記録などの収集に力を入れた。 1.ドクロリーの教育思想およびドクロリー学校におけるカリキュラム理論とその開発過程に関する先行研究の検討、および開発に関わった教師に関する資料。この事項に関する先行研究の収集および資料の発掘のために、国立国会図書館、東京大学総合図書館、シカゴ大学レジェンステイン図書館を訪問して調査を実施した。 2.日本においてドクロリー・メソッドの影響を受けたプロジェクト型カリキュラム開発過程の実態調査(ドクロリー名を冠していなくても影響を受けたとみられる以下の事例)。①師範学校附属小学校幼稚園におけるプロジェクト型カリキュラム開発の実態と中心的役割を果たした教師に関する調査、②児童の村小学校におけるプロジェクト型カリキュラム開発の実態と中心的役割を果たした教師に関する調査、③戦前期の成城小学校、東京市富士小学校における低学年教育のカリキュラム開発。この事項に関する先行研究および資料収集のために、国立国会図書館、東京大学、奈良女子大学、京都大学の各附属図書館のほか、実践家の子孫宅等を訪れて、関係資料に関する調査を実施した。
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