本研究では、授業での教師の介入(インターベンション)の言語・ 非言語的効果の類型を示すだけでなく、学習者の生活経験と抽象的な概念を結ぶ効果や、学力向上に課題を抱えた児童・生徒に学習規律を獲得させ、学習意欲、他者意識の醸成を促す効果をもつことを明らかにすることができた。また、学習課題・ゴール、介入の意図、状況の見とりとの関係を抽出した。最終的に、児童の参加率の多寡を児童の既習事項を深く掘り起こすチャンスと判断した教師は、学習者の生活体験と結びつける介入を行い、学習者同士に高い協働性を保証しながら、授業をかれらの認識の深化・変容を促す機会と捉えていたことが明らかになった。
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