本研究は、戦後改革期において公立大学がいかなるものとして成立したのかということを一次資料の収集・分析を通して、理念、制度、実態の三側面から実証的に明らかにすることを目的としたものである。この時期、公立大学独自の意義への関心は弱く、アメリカ型の理念への明示的な転換は見出されなかった。一方で、制度面では学校教育法の成立により存続できなくなった専門学校を学校種の一時変更により存続を担保する制度的仕組みが導入された。さらにその制度的枠組みのもとで地域では公立専門学校を公立大学へと昇格させる運動が展開されていたことを示した。
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