本研究は、デューイ思想形成へのヘーゲルの影響について再評価し、デューイ思想の枠組みの展開-特に主要概念、成長、民主主義、経験の連続と再構築、社会的探究など-を、ヘーゲル哲学の観点から再考することにより、曖昧で難解、実践的でないとされてきたデューイ教育思想のより説得的な理解の枠組みを提示することを目的とした。先行研究としてShook, Goodらの研究があるが、本研究ではこれらを踏まえつつも、かれの自然主義的経験論の淵源が、1880年代の『論理学』や『精神現象学』の読解にあると捉え、ミシガン、シカゴ大学時代の講義ノートや1896年論文「反射弧概念」他にその痕跡が認められることを明らかにした。
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