研究課題/領域番号 |
15K04224
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
太城 康良 三重大学, 教養教育機構, 准教授 (10398787)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アクティブ・ラーニング / 成績評価 / 行動評価 / ピア評価 / グループ学習 |
研究実績の概要 |
アクティブ・ラーニングのグループ活動における姿勢や態度を評価する方法として、医学教育TBLで用いられる学生間の相互評価(ピア評価)に着目し、その信頼性・妥当性を教養教育においても検証し、学生のモチベーションや意識への影響を解明することを目的として、平成27年度は「立ち上げ試行期」と位置づけ、以下(1)~(4)の項目を行った。 (1)カリキュラムの整備、教科担当者へのFDの開催。①対象となるカリキュラムを三重大学の教養教育のアクティブ・ラーニング科目「教養ワークショップ」とした。本授業では、新書を読んで書評を書き、内容についての討議・査読をグループで行うので、その行動評価を用いた。②グループ活動が可能なクラス規模、クラス編成を行った。③全45クラスを担当する20名の教員に、授業運営・成績評価法に関するFDを行った。④LMS(学習管理システム:Learning Management System)の一つであるMoodleを用いたピア評価の入力を行う体制を整えた。 (2)ピア評価の実施と結果分析。ピア評価は実施され、すべての学生の入力状況のデータは集まったが、「教養ワークショップ」は後期の科目であるため、結果分析はまだ行われていない。 (3)アンケートの実施。学内の第3者機関が統括する授業評価アンケートは実施され、90%以上の回収率があったが、「教養ワークショップ」は後期の科目であるため、結果分析はまだ行われていない。 (4)研究実施体制の外部評価。全内容の評価は行われていないが、解析方法については、医学教育学会の発表を通じて研究協力者と外部に公表し、学識経験者・有識者のコメントを受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
【研究実績の概要】に記載した(1)については、立ち上げ期にふさわしく遅延はなく、当初予定していた「授業支援ボックス」によるピア評価の解析ではなく、LMSの一つであるMoodleの活用に変更したためネットを介したデータ入力は効率化され、当初の計画以上の成果を上げているとも判断できる。しかし(2)(3)については、解析対象となる授業は後期の開講であるため、データの収集は終わったものの、解析は半年遅延していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
【研究実績の概要】に記載した(1)の①については、予定に変更はなく、②・③については、28年度の前期に授業担当者が後期の開講に向けて、授業形態などの再検討を協議し、その結果を踏まえて必要な変更を加える。④については、使用予定の機器を「授業支援ボックス」から「Moodle」に変更して、ピア評価の入力を行う。(2)と(3)については、28年度の前期に、ピア評価と筆記試験の成績・総合評価・授業満足度との相関などをアンケート結果を元に検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定の設備備品「富士ゼロックス『授業支援ボックス』」が、所属機関の経費で導入され、さらに本研究のデータ入力により適した、moodleを用いた環境の整備に成功したため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度では、ピア評価、および、アンケートの解析が遅延したので、それを加速すべく、事務補佐員・アルバイトの人件費に当てる。また、平成27年度の成果発表、調査研究、および、研究協力者との打合せは十分でなく、平成28年度は、より多くの意見交換が必要なため、国内旅費に充てる。
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