研究課題
平成30年度はこれまで収集したデータを集成・修正し、データベースの完成を期するとともに、研究成果を論文のかたちにすることを行った。また、成果の一部について、「大学史アーカイブズと大学演習林」(国際シンポジュウム2019「アジアから見た、≪大学演習林≫―その来し方と行く末―」、2019年2月9日、九州大学)として口頭発表を行った。研究期間全体を通じての主な成果は、次の3点である。①学科・講座・附属施設の設置状況を中心とした帝国大学農学部の形成と展開の過程の解明。②4帝国大学農学部教官履歴データベースの作成と、それを用いた農学部教官人事の特徴の解明。③農学府附属演習林財政と帝国大学財政全体の関係性の解明。これらの成果は報告書『帝国大学農学部の形成と展開に関する研究―九州帝国大学を中心に―』としてまとめ、「九州大学学術情報リポジトリ」で公開した。上記の各成果の学術的意義はそれぞれ以下のとおりである。①これまで各大学年史等でそれぞれの農学部組織の設置状況等は記述されてきたが、4帝国大学全体を見渡したときにどのような特徴や共通性等が見いだせるかについて初めて明らかにした。②農学部教官の履歴を明らかにすることで、大学ごとの教官人事の特徴等を示すことができた。③これまで大学史ではあまり着目されていなかった農学部附属演習林について、その大学財政上の重要性について初めて明らかにした。なお、教官履歴や演習林財政については、資料的な問題等からデータの完成には至らなかった。これらについては今後も調査を行い、完成と公開を期したい。
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