研究課題/領域番号 |
15K04259
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
白井 靖敏 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (20267925)
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研究分担者 |
鷲尾 敦 高田短期大学, キャリア育成学科, 教授 (30259379)
原田 妙子 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40238184)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サービスラーニング / ルーブリック / 学修ポートフォリオ / 地域貢献演習 |
研究実績の概要 |
研究目的である、サービスラーニングによって獲得する能力の評価指標の開発と学修効果の検証について、平成27・28年度から引き続き、研究計画に従い、国内外のサービスラーニングにおける研究資料を収集しつつ、研究実践校である高田短期大学(アクティブラーニングを取り入れた情報ボランティア育成講座)と名古屋女子大学短期大学部(地域貢献演習)の取組において、学生へのアンケート調査、および、地域団体、学生ボランティアとの協働団体、サービスを享受する参加者へのアンケート調査結果分析を行ってきている。 サービスラーニングを通した汎用力(ジェネリックスキルズ)の育成に関しその評価について、評価者用ルーブリックと学修ポートフォリオを開発し、これらを使った実践(高田短期大学では平成27年12月と3月、名古屋女子大学短期大学部では1月)結果から、学修到達目標の異なる2つの実践をもとに、活動スタッフ、指導教員、学生自身が評価できていた項目を精査し、共通する項目を抽出しコモンルーブリックを試作した。これらの成果は、日本教育工学会第32回全国大会(大阪大学)で報告し、さらに、名古屋女子大学紀要第63号(P75-87)で公表した。 コモンルーブリックをベースに高田短期大学と名古屋女子大学短期大学部とで、それぞれの実践に合わせた評価項目に調整するなどの検討を行ったのち、評価方法を含め改良を加え、高田短期大学では、平成28年7月、12月、そして、平成29年3月の3回の実践、名古屋女子大学では平成29年1月に実践を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度を研究のスタートとして、高田短期大学(情報ボランティア育成講座など)と名古屋女子大学短期大学部(地域貢献演習)の教育実践のなかで、学生へのアンケート調査、地域団体、学生ボランティアとの協働団体、サービスを享受する市民等へのアンケート調査結果を分析し、サービスラーニングにおける能力評価規準・基準(ルーブリック)および学修ポートフォリオを開発してきた。これらを用いた実践(高田短期大学では平成27年12月と3月、名古屋女子大学短期大学部では1月)結果から、学修到達目標の異なる2つの実践をもとに、活動スタッフ、指導教員、学生が評価出来ていた項目を精査し、共通する項目を抽出し、いわゆるコモンルーブリックを試作した。コモンルーブリック、および、これを基礎とした学修ポートフォリオを用い、高田短期大学では、平成28年7月と12月、そして、平成29年と3月、名古屋女子大学短期大学部では1月に実践研究を行った。結果を分析し、コモンルーブリックの有効性、評価手法の一般化に向けた検討を行っており、ほぼ計画通りに遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度では、これまで2年間の研究結果をもとに、改訂したコモンルーブリックおよび学修ポートフォリオを使った実践研究を行い、共通評価指標が、より一般化できるかを検討し、研究成果としてまとめる。具体的な実践は、高田短期大学では、津市中央公民館と高田短期大学キャリア研究センターが共催するシニア向けの「シニアパソコン教室」に参画するとともに、8月に子どもパソコン教室を試行し補助者として参画する。また、名古屋女子大学短期大学部では、ファッションデザインと広報デザインプロジェクト、ファッションデザイン染色プロジェクト、ファッションデザインクリエイトプロジェクトの3つのプロジェクトにより、地域貢献行事を企画立案し、その上で地元行事と係わり、お年寄りや子供たちとのコミュニケーションや、作品の即売等を行う。 総括として、高田短期大学と名古屋女子大学短期大学部の3年間の実践結果を整理・考察し、本研究目的に沿い問題点、課題、特に実施方法の問題点を抽出するとともに、学生の学修成果など、活動や成果に対し、特に汎用力を学生がどのようなレベルまで、どういう経過で獲得していくかなどの学修過程、コモンルーブリックの有効性など、本研究の効果検証を行いまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度後期にはコモンルーブリックと学修ポートフオリオを用いた実践研究(事前検討)もでき、ほぼ計画通りに遂行できた。成果の公表などについて、学会等の開催地が大阪と近隣であったため予定していた旅費を残した。また、予定していた実践における評価者依頼に係る人数が少なかったため、その分も残した。
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次年度使用額の使用計画 |
前述した理由により残した分、次年度の研究実践で依頼する地域団体、研究協力者に対する謝金として利用する。
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