研究課題/領域番号 |
15K04277
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
樋口 直宏 筑波大学, 人間系, 教授 (90287920)
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研究分担者 |
石井 久雄 明治学院大学, 文学部, 教授 (30330947)
遠藤 宏美 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (30613848)
藤田 晃之 筑波大学, 人間系, 教授 (50261219)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小中一貫教育 / キャリア教育 / 義務教育 / 学校制度 / カリキュラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、小中一貫教育を通して児童生徒のキャリア・進路意識がどのように形成されるかを明らかにするとともに、発達特性および汎用的能力をふまえたキャリア教育プログラムの開発を目的とする。そのために、本年度は以下の2点から研究を進めた。 (1)小中一貫教育における実践事例の特色分析 前年度に引き続き、申請者が指導助言者等として関わっている自治体を中心に、小中一貫教育の実践について継続的に観察および記録を行うとともに、汎用的能力の育成という観点からカリキュラム開発および教材作成に関わった。具体的には、つくば市における「考える時間」や「6つの帽子」の授業研究、静岡市における「静岡型小中一貫カリキュラム」および『静岡学ーブック』等があげられる。この他にも、龍ケ崎市や品川区における小中一貫教育カリキュラムの作成・改訂作業に関わりながら、平成28年度より開始された義務教育学校制度の運営についても検討を進めた。さらに小中一貫教育の理論構築および情報交換の場として、日本義務教育学会が設立され、申請者も副会長として参画して全国の実践事例の特色分析に努めた。 (2)児童生徒の進路動向およびキャリア意識に関する予備的調査 小中一貫教育を実施している自治体においても、学校制度上は小学校と中学校とに分かれている場合が大部分であり、児童は小学校6年を修了時に中学生として進学することになる。そこで、小中一貫教育を受けた6年生がどの学校に進学したかについて、特定の自治体の進路実績をもとに傾向を明らかにした。また、児童生徒がどのようなキャリア意識を形成しているかを把握するためのアンケートや、進路やキャリアに関する教員に対する聞き取り等の予備的調査を実施して実態を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小中一貫教育における実践事例の特色分析については、教育委員会および各学校の全面的な協力の下、各地域および実態を明らかにすることができた。児童生徒の進路動向およびキャリア意識に関する予備的調査についても、審議会資料等を分析するとともに、義務教育学校長への聞き取り調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
義務教育学校を中心に、過去2回実施した調査をふまえて継続的な調査を実施するとともに、進路およびキャリア教育に関して児童生徒および教員に対する聞き取り調査を実施する。また、義務教育学校制度の実施および学習指導要領改訂に伴う、資質能力の育成を目指した小中一貫教育カリキュラムの開発という新たな課題も生じており、これらを視野に入れたキャリア教育プログラムを開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
児童生徒用アンケート調査用紙の印刷を予定していたが、次年度印刷することとなり印刷費が当初の予定を下回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
アンケート調査作成のための印刷費ならびに分析のための謝金に使用する。
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