研究課題/領域番号 |
15K04278
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
溝上 智惠子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (40283030)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | カナダ / 教育史 / 学校教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、カナダにおける道徳教育政策(担当教員養成策を含む)の形成過程を明らかにするとともに、各州で異なる学習ガイドラインに基づく道徳教科書の内容を比較検討し、これらをふまえた教科「道徳」の評価法を考察することにより、多文化国家カナダにおける道徳教育政策の形成と運用実態を総合的に明らかにすることをめざすものである。 平成27年度は、文献調査により、カナダ全般における道徳教育政策の変遷を歴史的に明らかにした。中でも西海岸のブリティッシュ・コロンビア州では、第2次世界大戦前の時期、初等教育カリキュラムの構築にあたり、アメリカの進歩主義教育思想が道徳教育にも影響していたことや、同州の日系人の強制収用先でも同様の道徳教育が実施されていたことを明らかにした。 また平成27年度当初に予定していたインタビュー先との日程調整の結果、先方の都合により、道徳を必修科目としている州には現地調査を行うことはできなかった。ついては、道徳を選択科目としているブリティッシュ・コロンビア州を対象に、ガイドラインに基づく教科書を収集し、その内容を比較検討するとともに、道徳教育評価法の特徴と課題を検討した。 さらに、道徳教育の歴史的変遷についてはその成果の一部を、平成27年6月3日にカナダ・オタワにて開催された「82nd Annual Conference of the Canadian Catholic Historical Association」において発表するとともに、カナダの教育史の専門家と意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関連する文献や道徳の教科書の収集は概ね順調に進んでいるが、インタビュー先のカナダの関係者とのアポイントメントがうまく調整できず、平成27年度は一部計画を変更せざるを得なかった。このためやや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、道徳教育を必修化している州において、関係者へのインタビュー調査を実施するとともに、関連する資料や文献の網羅的収集に努める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
カナダの関係者へのインタビュー調査を予定したが、日程が合わず、平成27年度は調査を断念したため、差額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は関係者へのインタビュー調査を実施するため、次年度使用額が生じないと思われる。
|