フランスにおける教育の質保証の新形態である目標契約制度は、目標・方策決定の際の誘導やプロセスの外部管理が原因となって学校への浸透に滞りがあることを明らかにした。このことを実証するためにボルドー市とモンペリエ市で調査を行い、①教員は学校外部評価に抵抗が強いが、学校改善支援や方向性提示には親和的であること、②教員の学校評価に対する意識の高低を規定するのは、生徒の階層や学力ではなく教員間の協働性であることを導き出した。行政の学校への「統制」を「支援」に変換させるためのツールとして学校外部評価が有効に機能するには、教員間の協働性が鍵となることが明らかとなり、日本との類似を明確にした。
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