本研究は、移民の統合、学力向上という主要政策課題への対応という側面から近年のドイツにおける保育・幼児教育改革に注目し、その政策面、実践面での成果と課題を描出することを通して、日本の幼児教育のあり方について考察するものである。先行研究の分析、ヘッセン州、ハンブルク市州、ノルトライン=ヴェストファーレン州、バーデン=ヴュルテンベルク州での行政担当者、園長・保育者・言語教育担当者への聞き取り、教材開発者へのインタビューの結果、次のことが明らかになった。すなわち、言語発達の測定および支援は州間だけでなく州内の自治体間でも多様であり、個別の事情に応じた手法を採用し、それに基づく研修に力が入れられている。
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