研究課題/領域番号 |
15K04282
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
長澤 成次 千葉大学, 教育学部, 教授 (50172523)
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研究分担者 |
浅野 かおる 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10282253)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 住民自治センター / 住民自治会 / ヘンボク学習センター / 平生学習 / 平生教育 / 公民館 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、韓国の住民自治センターと地域自治組織をめぐって「住民自治会」を軸に再編がすすむ動態を明らかにすることを目的にした。政策的には大統領直属の地方自治発展委員会が2015年8月に「住民自治会導入基本法案」を確定している。この間、邑面洞住民自治会モデル事業が展開され(住民自治会実施モデルは、協力型・統合型・本会の形態)、2015年10月からは49カ所に対象地域が拡大されている。一方で住民自治センターは、教育部によってヘンボク(幸福)学習センターの指定がすすみ、ヘンボク学習センターマネージャー養成課程などもすすめられているセンターなども生まれている(インチョン市ヨンス区ヨンス2洞住民自治センター)。 このような動向のもとで、2015年10月17日から18日にかけて開催された第7回日韓学術交流研究大会(済州大学、テーマ:地域づくりと平生教育)に参加し、特に韓国側からの報告によって、マウル共同体と平生教育との関係についての研究動向・事例を学ぶことができた。また、今年度も参加した住民自治センターの全国博覧会(2015年10月29日から11月1日、第14回全国住民自治博覧会、世宗市特別自治市)では、住民自治分野・センター活性化分野・地域活性化分野・平生学習分野の4分野から42の事例が報告されている。 このような調査等を通じて、住民自治センターは、住民自治会が委託を受ける対象の一つであり、住民に身近な施設であるセンターにおいてどのように平生学習が展開されていくのかは重要な研究課題であること、また、いま韓国で盛んに議論され、実践されつつあるマウル共同体づくりの運動ともあわせて検討していくことが重要であると再認識しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「自治体再編下のコミュニティ施設と地域自治組織の関連構造に関する日韓比較研究」という研究テーマにあらためて立ち戻ると、特に韓国の住民自治センターが再編されつつある今日において、政府や自治体の政策動向をふまえつつも、やはり住民自治センターでの具体的な動態調査が不可欠であり、平成27年度はその点が不十分であった。その反省をふまえて平成28年度の研究をすすめていきたい。 なお、当然のことながら、本研究は日韓の比較研究であり、日本における公民館の再編動向を注視しつつ韓国研究をすすめることになる。
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今後の研究の推進方策 |
前述したように、韓国研究では、住民自治会の動向をおさえつつ、住民自治センターと平生教育・ヘンボク学習センターとの関係、平生教育の専門職員である平生教育士のセンターへの配置状況などを調査するため、光明市平生学習院と住民自治センター、インチョン市ヨンス区ヨンス2洞住民自治センターとヘンボク学習センター、大田市大徳区住民自治センターとヘンボク学習センターマネージャーとの関係等の調査を実施したい。 また、例年開催されている住民自治博覧会への参加、今年度、北海道札幌市で開催される日韓学術交流研究大会に参加し、研究課題を整理していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述したように「自治体再編下のコミュニティ施設と地域自治組織の関連構造に関する日韓比較研究」という研究テーマにあらためて立ち戻ると、特に韓国の住民自治センターが再編されつつある今日において、政府や自治体の政策動向をふまえつつも、邑面洞レベルにおりての住民自治センターでの具体的な実態調査を行うことができなかったことが主な要因である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は住民自治センターと平生教育・ヘンボク学習センターとの関係、平生教育の専門職員である平生教育士のセンターへの配置状況などを調査するため、光明市平生学習院と住民自治センター、インチョン市ヨンス区ヨンス2洞住民自治センターとヘンボク学習センター、大田市大徳区住民自治センターとヘンボク学習センターマネージャーとの関係等の調査を実施したい、と考えている。
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