本研究の目的は、学校評価に連動した戦略的学校支援システムの開発にある。学校が抱える諸課題に対して対症療法的な学校支援ではなく、継続性のある学校改善に繋がるアクションを生み出す戦略的な学校支援の展開が求められる。本研究では、学校評価と学校支援を両輪とした学校改善支援システムをすでに構築しているニュージーランドを事例としながら、上記課題を克服しうる新たな戦略的学校支援システムの開発に向けて研究を進めた。さらに、学校支援システムの構築に不可欠な支援者養成の観点から、指導主事を主たる学校支援者としてシステム設計している横浜市をフィールドとしながら学校支援者養成プログラムの開発にも取り組んだ。 最終年度である29年度は、第一にニュージーランドでの現地調査を通して、学校支援機関による支援の効果分析を中心に学校長へのインタビュー調査を行った。特に、ニュージーランドで新たに展開されている生徒の成長過程(pass way)を意識して形成された学校群(Community of Learning)を基礎単位とした学校支援の在り方について研究を進めた。 第二に、昨年度に引き続き横浜市教育委員会のA学校教育事務所に対して指導主事の学校支援機能の強化に向けたコンサルテーションを行い、A学校教育事務所の学校支援計画の見直し、指導主事向け研修プログラムの再検討、学校支援システムの見直しに繋げた。
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