研究課題
基盤研究(C)
本研究では、幼児期の教育と小学校教育における大きな段差の1つに「言葉」があると考え、「話し言葉」中心の幼児教育と「書き言葉」中心の小学校教育を滑らかにつなぐ接続期カリキュラムを、「書き言葉」すなわち「文字」とのかかわりに着目して作成した。言葉の習得の基盤には、伝えたくなる人がいて、伝えたくなる経験があることを踏まえ、クラス集団の協同性を育みながら、「文字と出会う」「文字を使おうとする」「文字を使う」「文字を学ぶ」「文字で学ぶ」の5つのプロセスからなるカリキュラムを開発した。
保育学・発達心理学
近年の世界的な課題でもある幼児期の教育と小学校教育の接続において、それぞれの教育現場の具体的な子どもの姿をもとに作成した本カリキュラムは、利用可能性が高く、教育的意義も大きい。本カリキュラムでは、文字学習の観点だけではなく、文字の機能に立ち返り、人と人とをつなぐ文字のはたらきを明確にし、その習得を支える子どもの協同性の育ちを基盤とした。本カリキュラムの活用によって、幼児期と小学校教育との子どもの経験と学びをつなぎながら、人とのかかわりを深める文字教育の展開が期待される。