研究課題/領域番号 |
15K04307
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岩永 定 熊本大学, 教育学部, 教授 (90160126)
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研究分担者 |
橋本 洋治 日本福祉大学, 子ども発達学部, 准教授 (00390055)
仲田 康一 浜松大学, 健康プロデゥース学部, 講師 (40634960)
柏木 智子 大阪国際大学短期大学部, その他の部局, 講師 (90571894)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 参加型学校経営 / エンパワーメント / 学校運営協議会 / 参加意識 / 学校の自律性 |
研究実績の概要 |
新規採用の初年度ということもあり,研究分担者及び連携研究者との間で研究の方向性とともに具体的内容のイメージを共有することに力点を置いた。研究題目にある「参加型学校経営」とはどのように定義づけできるのか,仮に定義づけたとして,現在の日本の学校はどのような位置に立っているのか,それを測定する方法は何か等がその内容になる。 これらを具体化するために,以下のことを行った。 第1に,参加を視点に入れた学校経営関係の文献の入手と読み込み,研究分担者・連携研究者間における意見交換を行った(2015年5月31日~6月1日)。研究代表者が参加型学校経営に関する暫定的な定義を提案した。その内容は参加の正当性と有効性という2つの軸から構成されるというものであった。また,参加型学校経営を支える組織的条件として学校の自律性を構成する要素(裁量性,協働性,専門性,開放性,相補性)に関して共通の合意を図った。 第2に,メール会議を中心に学校運営協議会を設置している学校の教員に対する質問紙調査の項目の具体化を行った。第1に示した各概念の測定指標として,①正当性と有効性を軸とした教師の類型化項目,②正当性に関する意識の測定項目(教育方針,教育課程,学校財政,校内人事等),③有効性に関する意識の測定項目(教員の意識の変化,子どもの状況の変化等),④組織的条件に関する測定項目,⑤学校運営協議会の活動状況に関する項目,⑥フェースシートから成る質問紙を作成した。調査は学校運営協議会を設置している小学校200校,中学校200校を抽出し,各学校6名の教員に回答を求めた(2016年2月8日~2月26日)。データは,現在入力中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の計画としては,保護者参加に対する教師の意識調査と学校運営協議会を設置している学校の保護者調査を位置づけていたが,後者を主として担当する予定であった研究代表者の体調不良があり,実際の質問紙を作成するには至らなかった。そのために,やむなく次年度に持ち越すことにした。
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今後の研究の推進方策 |
第1に,昨年度実施した教員調査を分析し,その研究成果を日本教育経営学会第56回大会において発表するとともに,学会誌に投稿する。そのための研究打ち合わせを5月に神戸市において実施する。 第2に,昨年度実施できなかった保護者調査を実施する。内容に関して研究分担者・連携研究者と細部を詰めていきたい。現在のところ,①学校運営協議会における委員の役割,②協議会運営に関する満足度,③委員とそれ以外の保護者の学校理解度の相違等を予定している。 第3に,学校運営協議会の活動の質を検討するために,教員,保護者,地域住民に対するインタビュー調査を実施する。可能であれば,特定の学校を絞って参与観察を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の1名が,予定していた学校観察訪問に行くことができなくなったために,次年度に有効活用するために残した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に行くことができなかった学校訪問のための旅費として活用する予定である。
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