日本と諸外国における新しい能力観に基づく学校教育の質保証という課題にどのように対応するのかというモデルを構築することを目的とする。PISA調査前後からの学校教育に対する諸要求の変化は、日本及びドイツ語圏のような「公」への依存度が強い国と、英米を中心とする「市場原理」型の国との対比において、多くの課題を生み出している。効率性を高めるためには、公教育行政の「多様化」を基盤とした「最低水準を質保証する多元型」モデルが日本にはより適したモデルである。ドイツでは学校の裁量権が拡大したが、日本では都道府県に強い権限が残っている。日本の大規模な教員人事異動は学校に責任を帰すことを困難にしている。
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