研究課題
最終年度である今年度は、有識者を対象とする「学校及び教育学部改革に関する有識者調査」を実施した(2017年5月)。その課題意識は、以下の通りである。①大学教員、特に教育学部教員が昨今の教員養成・教師教育改革等をどのように受け止め評価しているかを知る必要があること。②教員政策、教員養成/教師教育改革は矢継ぎ早に打ち出され展開しており、その内容を理解している国民はまだ少ない状況にあるとみられること。これらの事情から、調査方法としては日本教師教育学会の全会員を対象とするアンケート調査が最適であると判断した。そこで同学会事務局並びに事務局を通して同学会理事会と連絡協議し、調査項目について了解を得たうえで、2017年5月に郵送方式でアンケート調査を実施した。また、本件アンケート調査の結果については、9月に奈良教育大学において開催された日本教師教育学会第27回大会において、浦野東洋一、福島健介、佐藤高樹「『学校及び教育学部改革に関する有識者調査』の結果について―データの報告と考察―」と題して研究発表を行った。本調査は、「国の改革政策などをめぐる有識者間―「実務家教員」と「研究者教員」―の意識の異同」の把握を一つのねらいとしていたが、集計結果はその双方を明らかにしたといえる。例えば、「『大学における教員養成』原則の確認」「『子どもの権利条約』等国際教育規範の参照」などをめぐっては大きなズレは見られなかったが、一方で、教員以外の専門スタッフへの評価や教員養成のスタンスをめぐっては見解のズレが確認された。これまで「研究者教員」「実務家教員」に対する認識をめぐって「そう思われていた/見なされていた」側面を、大規模な調査(回収率48.6%)を通して、改めて可視化した点は大きいといえる。2018年3月には、これらを含め、この3年間の研究成果を「研究成果報告書」(冊子)にまとめて発行した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
大阪教育大学紀要 総合教育科学
巻: 66 ページ: 135-154
帝京大学教育学部紀要
巻: 6 ページ: 65-95
巻: 6 ページ: 15-24