研究課題/領域番号 |
15K04318
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
那須 信樹 東京家政大学, その他部局等, 教授 (60300456)
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研究分担者 |
細井 香 東京家政大学, その他部局等, 准教授 (90383405)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 保育教諭の研修実態 / 幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項 |
研究実績の概要 |
本研究は、幼保連携型認定こども園教育・保育要領に示される保育教諭として求められる専門職としての自律性や協働性を実質的なものとしていくために、とりわけ、園内研修の仕組みづくりや研修をリードできるファシリテーター育成を通じて、保育教諭としての専門性の獲得や専門職としての倫理観の醸成による社会的地位の確立に寄与することを目的としている。
①日本保育学会第69回大会発表:那須信樹・細井香「保育教諭の研修実態に関する研究」(2016)/認定こども園の職能団体が実施する全研修内容を整理し、とりわけ保育教諭の研修実態の現状と課題について明らかにした。新制度施行前の2012年度より、新制度移行後も講演テーマや内容に鑑みれば、総じて、新制度の普及や理解の深化に資する講演や行政説明・シンポジウムなど、園長ら、管理職を対象とした研修内容が多くを占めていることが明らかとなった。対象を「保育教諭」と明確に謳った研修会や各地区・支部ごとの研修形態については「実習・ワークショップ」など、実践的な内容も多く認められ、新制度への移行にあたって「保育教諭」を対象とした研修内容の拡充に向けた取組みが模索されていることが推察できた。併せて、「幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項」に基づいた実践に対する不安や戸惑いを改善・解消できるための研修の必要性を訴える保育教諭も多く、早急かつ新たな研修の場づくりが求められていることが明らかとなった。 幼保連携型認定こども園の組織として、管理職として、また保育教諭として抱える課題の実態を明らかにしながら、保育教諭にとってのより有効な園内外研修のあり方について検討していく上での示唆を得た。
②参考テキストの発刊:那須ほか「手がるに園内研修メイキングーみんなでつくる保育の力ー」わかば社(2016)/保育現場における園内研修の充実に資する参考テキストとして刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度(平成27年度)は、保育新制度移行年度ということもあり、①従前より幼保連携型の認定こども園であった園に対して、これまでの園内研修の成果と課題についてヒアリング調査を行った。また、②27年度より新たに幼保連携型認定こども園に移行した園をサンプリングし、保育教諭として働く保育者と管理職を対象に、園内研修の実際についてヒアリング調査とアンケート調査(予備調査)を実施した。加えて、③認定こども園関連の職能団体関係者への園内研修に関するヒアリング調査を行った。 予定していた準備調査等は概ね実施できたと言えるが、地域性や各園の抱える課題が多岐に及ぶことから、28年度実施予定のアンケート調査(全国調査)内容の確定を見ることができず、現在も調整中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年5月末までには、各地域における幼保連携型認定こども園の園内外における研修実態を明らかにするためのアンケート調査内容の確定をみる。その際、アンケートの配布先として待機児童の存在の有無から地域の特徴を割り出し、配布先のサンプリングを慎重に行ったのち調査を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請していたパソコンの購入が遅れ物品費に残金が出たこと。また、旅費や文具代の一部に残金がでたことが主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
パソコンの購入については、金額やスペック等の再検討を図り、無駄のない予算執行計画を立てる。 27年度データ整理・保管のための記録媒体が不足しているため、この購入等に充てる。また、引き続きヒアリングの実施計画があるので、その旅費としての使用を計画している。
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