デンマークにおける生涯学習実践の構造に関して、文献調査に基づく歴史的および思想的考察、そして聞き取り調査を用いた社会学的考察を行い、その結果、次の点がわかった。第一に、政治学の領域で論じられている「福祉国家の再編」問題がデンマークにおいても教育と雇用を結びつける生涯学習政策によって対応されてきた点、第二に、その際、フォーマルな教育機関、ノンフォーマルな教育機関、そしてNGOでの成人教育プログラムにおいて対応している点、第三に、そのすべてのプログラムにおいて、デンマークにおけるデモクラシー思想が重視されており、それが社会的統合の観点から追求されている点である。
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