研究課題/領域番号 |
15K04322
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
坂本 辰朗 創価大学, 教育学部, 教授 (60153912)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | フェローシップ / 女性研究者 / 大学史 / アメリカ合衆国 / 高等教育政策 |
研究実績の概要 |
アメリカ女性大学人協会(AAUW)は、1880年代の結成後まもなく、女性研究者をヨーロッパの大学で学位を取得させるためのフェローシップを創設していた。これは、全米研究審議会(NRC)が1919年に開始した、ポストドクターのためのナショナル・リサーチ・フェローの制度にさきがけるものであったが、20世紀初頭には、その応募資格、待遇ともに、格段の見劣りがするものであって、根本的な改革を必要としていた。1920年代となり、AAUWは、国際女性大学人連合(IFUW)に加盟し、アメリカ国内の二つの組織を統合して新組織として出発する必要があった。新体制の確立にあたって、AAUWは、フェローシップ改革を、戦間期の最優先課題とすることになった。 上記の目的のために、AAUWは、フェローシップのための100万ドル基金の達成を掲げて、募金活動を開始した。そのために、それまでは全米に広がる地方支部のゆるい連合体にすぎなかった組織を、ワシントンDC本部が統括する組織へと改革し、募金のための専従スタッフの戦略の下に、女性大学人の支援という日常活動が、資金獲得に結びつくような体制を構築しようとした。 100万ドル基金の達成は戦後の1954年に持ち越されることになったが、(1)フェローシップの応募資格の向上、とりわけ、ポストドクターのためのフェローシップ制度の運営、(2)(1)には該当しない、女性研究者のための多様なフェローシップ制度の創設が結果し、組織的な集金体制とそのためのキャンペーンの継続は、現在のAAUW教育基金の礎となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題での女性研究者のためのフェローシップについてのケーススタディは、全米レベルから各学会や団体という流れで進めてきたが、2年次終了までに、個別のフェローシップについての研究に取り掛かることが可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
個別のフェローシップについて、(1)女性研究者を対象にしたもlの、(2)広義の女性研究・女性学を対象にしたもの、の両者について、ケーススタディを進める。Coordinating Council for Women in History (CCWH) そのほかを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査旅費を、科研費と、所属大学の個人研究費の双方から支出したため。
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次年度使用額の使用計画 |
54,852円は次年度旅費に繰り入れる。
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