本研究は、アメリカ合衆国において、女性研究者を対象としたポスト・ドクトラル・フェローシップが、どのような歴史的経緯の中で成立したのかを検討した。本研究プロジェクトは特に、女性研究者のみを対象とする政策を推進するために、どのような論理が要請されたのか、これがどのような新たな課題を生み出したのかを明らかにした。3つのケーススタディ――全米研究評議会のフェローシップ制度の創設(1920年代)、アメリカ女性大学人協会による女性研究者のためのフェローシップ制度の再編成(1920―30年代)、そして、女性歴史家調整協議会が1998年から開始したプレリンガー賞――をとりあげ、上記の問題を考察した。
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