本研究では、教員養成と教員採用の関係のあり方を探ったが、アメリカの場合は多様な関係モデルが存在することが明らかになった。その背景には、求められる教員が地域によって異なり、それぞれの地域に応じた教員を確保するためには、両制度の関係も多様である必要性が存在していた。特にアメリカの教員採用に関する研究が希薄であったことに鑑みれば、本研究の成果の学術的意義は高い。また、日本では、教員養成と教員採用は大きく乖離している状況にある中で、そのバランスをどう考えるかが議論されている。本研究の成果より、一律的な関係のあり方ではなく、多様な関係モデルの可能性を指摘することができ、政策的な意義も大きい。
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