研究課題/領域番号 |
15K04351
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 由利子 東京工業大学, 留学生センター, 准教授 (50323829)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 留学生 / 頭脳循環 / 高度人材 / 日系企業 / インドネシア / ベトナム / タイ / 中国 |
研究実績の概要 |
まず、日本学生支援機構や法務省の留学生に関するデータを元に、中国、タイ、インドネシア、ベトナム出身の留学生の留学生活、専攻分野、就職等の傾向を把握した上で、日本の大学等で学ぶ中国人、インドネシア人留学生会の協力を得て、日本と母国で就職した中国人とインドネシア人元日本留学生に対するオンライン調査を行い、就職先選定理由、就労状況、所属先組織への貢献状況と直面する課題等について、国別、勤務地別、理系文系や所属組織のタイプ別の分析を行った。また、日本の企業等で勤務する中国人、インドネシア人元留学生に対する聞取り調査を行い、元留学生を雇用する日本企業4社の人事担当者にヒアリング調査を行った。さらに、9月には中国で、平成28年2月にはインドネシアで、日系企業、現地企業、大学等で働く元日本留学生に対して聞取り調査を行うと共に、元留学生を雇用する企業の人事担当者や、日系企業商工会議所やジェトロ、JICA、日本大使館の関係者に対してもヒアリング調査を行った。 また、7月にオーストラリアを訪問し、研究協力者とオーストラリアにおける中国及び東南アジア出身の(元)留学生に対するオンライン調査の内容について打ち合わせをすると共に、国際学会で発表を行った。8月にはドイツを訪問し、移民・難民庁が実施した元留学生のフォローアップ調査の詳細についてヒアリングすると共に、DAAD、大学、企業、シンクタンク等を訪問し、元留学生の就職・雇用状況について聞取り調査を行った。 これらの調査結果を元に、査読付きの研究論文を3本、共著を1冊出版するとともに、国内外の学会で7回の研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
(1)日本学生支援機構や法務省の留学生に関するデータを元に、中国、タイ、インドネシア、ベトナム出身の留学生の留学生活、専攻分野、就職等の全体傾向を把握した上で、日本の大学等で学ぶ中国人、インドネシア人留学生会の協力を得て、日本で就職した元留学生と母国に帰国して働く元留学生に対するオンライン調査を実施し、就職先選定理由、就労状況、所属先組織への貢献状況と直面する課題、日本と母国をつなぐ役割等について、国別、勤務地別、理系文系や所属組織のタイプ別の分析を行った。 (2)日本の企業等で勤務する中国人、インドネシア人元留学生に対する聞取り調査を行うと共に、元留学生を雇用する日本企業4社の人事担当者にヒアリング調査を行い、日本の企業における労働環境について、元日本留学生側と企業側双方の利点と課題を把握した。 (3)9月には中国で、平成28年2月にはインドネシアで、日系企業、大学等で働く元日本留学生に対して聞取り調査を行うと共に、企業や大学等で元留学生を雇用する人事担当者や、日系企業商工会議所やジェトロ、JICA、日本大使館の関係者に対してもヒアリング調査を行い、母国に帰国して働く理系文系の元留学生の状況と、彼らに対する雇用者側の評価を把握した。 (4)7月にオーストラリアを訪問し、研究協力者とオーストラリアにおける中国及び東南アジア出身の元留学生に対するオンライン調査の内容について確認した。8月にはドイツを訪問し、移民・難民庁が実施した元留学生のフォローアップ調査の詳細についてヒアリングすると共に、DAAD、大学、企業、シンクタンク等を訪問し、日本と同じ非英語圏のドイツにおける元留学生の就職・雇用状況について情報を収集した。 (5)これらの調査結果を元に、査読付きの研究論文を3本、共著を1冊出版するとともに、国内外の学会で7回の研究発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
(1)日本の大学等で学ぶタイ人、ベトナム人留学生会の協力を得て、日本で就職した元留学生と母国に帰国して働く元留学生に対するオンライン調査を実施し、就職先選定理由、就労状況、所属先組織への貢献状況と直面する課題、日本と母国をつなぐ役割等について調べ、既に実施した中国人、インドネシア人元日本留学生のデータと合わせて、国別、勤務地別、理工系文系別や所属組織のタイプ別の分析を行う。 (2)ベトナムとタイで、日系企業、大学等で働く元日本留学生に対して聞取り調査を行うと共に、企業や大学等で元留学生を雇用する人事担当者や、日系企業商工会議所やジェトロ、JICA、日本大使館の関係者に対してもヒアリング調査を行い、母国に帰国して働く理系文系の元留学生の状況と、彼らに対する雇用者側の評価を把握し、既に実施したインドネシア及び中国における聞取り調査結果と比較する。 (3)オーストラリアの研究協力者の協力を得て、中国及び東南アジア出身の元オーストラリア留学生に対するオンライン調査を実施し、元日本留学生に対するオンライン調査の結果と比較し、留学国による留学生の頭脳循環の特徴を分析する。 (4)ドイツの研究協力者の協力を得て、ドイツと日本におけるアジア出身の理工系文系別の留学生の頭脳循環の特徴と、留学国と母国の経済連携に果たす役割を比較分析する。 (5)これらの調査結果を国内外の学会等で発表すると共に、研究報告書を日本語・英語で作成する
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