研究課題/領域番号 |
15K04351
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 由利子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (50323829)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 留学生の就職 / 日系企業 / オーストラリア / ベトナム / インドネシア / タイ / 移民政策 / 高度人材 |
研究実績の概要 |
8月から10月にかけて、オーストラリアにおいて、アジア出身の留学生/元留学生に対する聞き取り調査及び質問紙調査を実施すると共に、オーストラリアにおける留学生政策と留学生に対する支援体制、卒業後の進路傾向について、メルボルン大学、モナシュ大学及びオーストラリア国際教育会議(AIEC)などで情報収集を行った。 また、留学生の雇用可能性(Employability)に関するプロジェクトを計画中のモナシュ大学教育学部のThanh Pham講師らと連携して調査を行うこととなり、共通のオンライン調査のサイトを構築すると共に、1月にベトナムにおいて、元オーストラリア留学生、元日本留学生、商工会議所等への聞き取り調査を合同で行った。 この他、12月には、海外産業人材育成協会の協力を得て、インドネシアとタイの日系企業に勤務する元日本留学生と日本人管理職者に対する聞き取り調査を実施した。 上記の調査結果や平成28年度までの調査結果を活用し、査読付き論文3本、査読無しの論文を2本発表し、3月に刊行された移民政策学会設立10周年記念論集においても、留学生政策について寄稿した。 さらに、海外ではComparative and International Education Societyの62回大会における発表を、国内では、移民政策学会、西日本新聞社、多文化社会研究会、成蹊大学等の主催によるシンポジウム/ワークショップでの招待講演/パネルを7件、日本比較教育学会、移民政策学会、日本評価学会の年次大会における研究発表を3件行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)当初、アデレード大学人口・移住研究所のHugo教授との共同研究を予定していたが、2015年にHugo教授が急逝し、その下にいた研究員も移動したため、共同研究が予定通り進められなかった。しかし、2017年、留学生の雇用可能性(Employability)に関するプロジェクトを計画中のモナシュ大学教育学部のThanh Pham講師らと共同研究を行う話がまとまり、共通のオンライン調査のサイトを構築すると共に、2018年1月にベトナムにおいて合同で聞き取り調査を行い、今後、これらの研究成果の発表を予定している。 (2)留学生に関する統計や調査結果(日本学生支援機構の私費留学生実態調査等)を元に、主要な出身国別に留学生の留学動機や就職等の進路傾向を分析すると共に、卒業後日本で働く留学生と、インドネシア、タイ、ベトナム等に帰国して働く元留学生に対するオンライン調査、聞き取り調査を実施した。また、留学生を雇用する企業の関係者に対しても聞き取り調査を行った。 (3)インドネシア、タイ、ベトナムの日系企業に勤務する元日本留学生と日本人管理職者に対する聞き取り調査、韓国の地方の大学や自治体における留学生誘致・支援・定着の取り組みについての聞き取り調査を行った。 (4)2015年と2017年、オーストラリアにおいて留学生政策と元留学生に関する調査を行った。 (5)これらの研究成果を踏まえ、査読付き論文を7本、査読無し論文を4本、共著の書籍を2冊刊行し、国際会議や国際学会での発表を3回、国際セッションを含む国内の学会で8回の発表を行い、招待講演/パネルを10回実施した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)モナシュ大学教育学部のThanh Pham講師らによる留学生の雇用可能性(Employability)に関するプロジェクトが、Advancing Women's Research Success Grantを獲得したため、共同研究を継続する。また、2017年度に行ったオンライン調査や聞き取り調査の結果を分析し、国内外の学会で積極的に研究成果の発表を行うとともに、国際的な学会誌への共著論文の投稿を行う。 (2)2017年度に、海外産業人材育成協会の協力を得て、インドネシアとタイの日系企業に勤務する元日本留学生と日本人管理職者に対して実施した聞き取り調査結果を分析し、国内外の学会で発表すると共に、学会誌への論文投稿を行う。 (3)日本学生支援機構の私費留学生実態調査の過去10年間の回答データを元に、ベトナム、ネパール、中国、タイ、インドネシア出身の留学生の留学動機、生活状況、卒業後の進路希望等の傾向を比較分析し、日本学生支援機構のウェブマガジンで論考を発表する。 (4)上記を含むこれまでの研究成果をまとめ、書籍出版を計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、アデレード大学人口・移住研究所のHugo教授との共同研究を予定していたが、2015年にHugo教授が急逝し、その下にいた研究員も移動したため、共同研究が予定通り進められなかった。しかし、2017年、モナシュ大学教育学部のThanh Pham講師らと共同研究を行う話がまとまり、共通のオンライン調査のサイトを構築すると共に、2018年1月にベトナムにおいて合同で聞き取り調査を行った。 2018年4月、モナシュ大学教育学部のThanh Pham講師らによる留学生の雇用可能性(Employability)に関するプロジェクトが、Advancing Women's Research Success Grantを獲得したため、共同調査を継続すると共に、2017年度に行ったオンライン調査や聞き取り調査の結果を分析し、国内外の学会で積極的に研究成果の発表を行うとともに、国際的学会誌への共著論文の投稿を行う。
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