研究課題/領域番号 |
15K04356
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡田 亜弥 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (00313982)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スキルディベロプメント / 産業人材育成 / 産業発展 / インド / 中国 / 労働市場 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、グローバル化と急速な技術革新が進行する中、中国とインドの2大新興国を事例に取り上げ、90年代以降の、これら2国における産業人材育成システムの変化とその要因を明らかにすることにある。より具体的には、国全体、産業、教育機関、企業の4つのレベルを取り上げ、(1) これら2国のそれぞれに固有な社会構造や制度がどのように「産業人材育成システム」の形成に影響しているか、(2) グローバル化に伴う経済環境の変化に対応して、両国の政府(中央・地方政府)が産業人材育成政策・制度をどのように変化させているか、(3)両国の「産業人材育成システム」がどのように変化しているか、(4) どのような要因によって職業技術教育・訓練 (Technical and Vocational Education and Training: TVET) 機関・企業での産業人材育成パターンの変化がもたらされたか、の4点を解明することを目的としている。 本研究では、中国・インドの産業人材育成政策と制度、さらに教育訓練機関や企業における訓練体系に焦点をあて、質的な研究方法を用いて比較分析する。特に政治経済学における新制度論に依拠し、制度論的分析フレームワークを用いて、フィールド調査を通じて収集する詳細なデータを基に、マクロ(国)レベル、メソ(教育セクターならびに産業)レベル、ミクロ(教育訓練機関・企業)レベルのそれぞれに焦点をあて、重層的な分析を行う。 初年度であるH27年度は、文献や政府の報告書をレビューし、両国の近年の産業構造、産業政策・産業人材育成政策・教育政策、就業構造、ならびに教育制度、特に産業技術教育訓練制度についての理解を深めた。また、インド・デリーならびにラジャスタンにて現地調査を行い、デリー周辺ならびにラジャスタンに立地する工業団地を訪問し、技能センターなどを訪問し、聞き取り調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属大学が組織再編に取り組んでおり、これに関する会議・業務・事務作業の負担が大きい。研究時間を確保するのが困難である。
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今後の研究の推進方策 |
第2年度である本年度には、教育セクター(メソレベル)に焦点を当て、中国・インド両国の産業人材育成のための教育・訓練の仕組み・内容、習得する技能の中身が、90年代い初頭以降、どのように変化したかを明らかにする産業人材育成といっても、求められるスキルや知識や産業によって大きく異なるため、本研究では、特に、自動車産業に焦点をあて、産業レベルでの技能人材育成の仕組みとその変化を考察する。特に、自動車産業に焦点をあて、産業レベルでの技能人材育成の仕組みとその変化を考察する。すなわち、産業スキル・人材の需要側(産業)と供給側(教育訓練セクター)双方における変化を明らかにする。産業としては両国で基幹産業である自動車産業を取り上げる。 インド・中国にて調査研究を実施する。特に、両国の首都である北京・デリーに加え、各国における自動車産業集積地(中国:天津、上海、講習、インド・ハリヤナ州、マハラシュトラ州、カルナタカ州を訪問し、フィールド調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定した中国における現地調査を実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度、前年度実施できなかった中国調査を追加して実施する予定である。
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