研究課題/領域番号 |
15K04363
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山田 浩之 広島大学, 教育学研究科, 教授 (60258324)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 教員 / 教師 / ライフヒストリー / 教員像 / 言説 / 教員の職場 |
研究実績の概要 |
平成28年度は前年に引き続き言説分析やライフヒストリーに関する方法論、理論の検討を行うとともに次のように研究を進めた。 1)教師へのまなざしの変化に関する調査については、前年の理論的検討をもとに、実際に新聞記事を資料とした調査を行った。1950年から現在までの新聞に掲載された社説に記述された教師に関する語りを分析した。先行研究が指摘している通り、1970年代半ばまでは、教師を直接批判する記述はあまり見られず、むしろ労働環境の悪化に対する指摘が多くなっていた。しかし、70年代半ば以降は、さまざまな形で教師に対する批判がなされていた。とくに学校事故などが生じた際は、教師の資質を含めて非常に激しい批判も見られた。しかし、2000年代以降、こうした批判はほとんどなされなくなる。70年代までと同様に労働環境の悪化などが指摘されていた。こうした知見をもとに、中国四国教育社会学会で報告を行い、論文として発表した。 2)教師のライフヒストリーについては、調査対象を休職、もしくは退職した教師に限定して調査を行った。このように対象を限定することにより、教師の特徴を明らかにできるからである。調査の結果、加齢によるインフォーマントの変化や職務の増加などが大きな影響を与えていることが明らかになった。本研究も中国四国教育学会で報告し、論文として発表した。 上記の研究結果は、中国四国教育学会の他、台湾教育社会学会、北京師範大学教育社会学フォーラム、中国教育社会学会でも報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究計画の通り研究を進行している。ただし、調査の目的をさらに深めるため、当初の予定よりもインタビューの対象を絞って調査を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り進める。平成29年度は、継続して調査を行うとともに、とくに教員へのインタビューの結果をまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が5万円弱と少なく、平成29年度も海外での招待講演などへの参加が見込まれるため繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
海外での招待講演、国内での学会発表などの旅費に使用する予定である。
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