研究課題/領域番号 |
15K04371
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
黄 梅英 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 教授 (30458228)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 卒業研究 / 教育実態 / 教育型大学 / 学士課程の課題 / 卒業研究の評価 / 卒業研究の指導 / 卒業研究の取り組み |
研究実績の概要 |
日本の教育型大学における卒業研究の教育実態に関する研究
2016年度は上記のテーマについて、まず2015年度の取り組み状況を踏まえ、アンケートの追加調査を行い、115部を回収することができた。また計画に沿ってインタビュー調査も行なったが、校務が忙しいため予定通りの数をこなしておらず、残りの分を次年度に先送りすることとなった。 調査の結果について、初歩的な分析を行い、いくつかの傾向を見ることができた。まず(卒業研究の導入としての)ゼミについて、学生はゼミを選ぶ際にゼミで取り扱う「専門・内容」と「教員のイメージ」によって決める傾向が強い。一方教員はゼミのメンバーを決める際に学生の関心のある「テーマ・内容」、「学習意欲」によって決める傾向が強い。そのため「問題関心を確認する」(55.1%)、「面談する」(43.6%)などのことを行っている。他には「小論文を書かせる」(14.1%)、「テストをする」(13%)などを行ない、選抜のような決め方も見受けられる。 また、卒業研究の取り組みに学生は最も大変だったこととして「分析」と「資料・データの収集」(4割強)、「論理的に書く」と「論文の構成」及び「テーマの設定」(ともに3割を超え)をあげた。一方、教員の方は卒論指導に最も大変だったこととして、「論理的に書くことの指導」(64.1%)、「物事を考えることの指導」と「資料・データ収集の指導」(ともに4割近く)を挙げているが、「作文基礎の指導」(約3割)、「ゼミ出席の指導」(約1割)も大変だったこととしてあげている。 これから上記のような傾向などをもたらした要因や相互関係などについてより詳細な分析を行いながら、インタビュー調査も予定通りに増やしていき、総括して卒業研究の教育実態を明らかにしていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科研が採択された年度に副学長に就任し、校務が多忙であるため、科研に取り組む時間がなかなか取れず、1年目から当初の計画通りに進んでいない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
校務には少し慣れてきたので、可能な限り研究時間の確保に努め、残りの期間に新たな計画を立てて進めていきたいと考えている。 まず前年度で未完成なことを先に取り掛かって、残り分のインタビュー調査の実施、そしてアンケート調査とインタビュー調査のデータをより詳細に多角な視点で分析を行っていきたい。 そのうえで、研究テーマに関する総括も進めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
校務が多忙であるため、当初の計画に予定されているインタビュー調査の数はまだ全部こなしておらず、それに関するデータの処理などの作業はまだ行ってないため、それにあてた経費などは未使用となっている状態である。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度ではまず前年度に未完成の作業を行うように計画し、それに必要な経費も今年度に使用することにする。
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