研究課題/領域番号 |
15K04380
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研究機関 | 嘉悦大学 |
研究代表者 |
白鳥 成彦 嘉悦大学, ビジネス創造学部, 准教授 (70552694)
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研究分担者 |
田島 悠史 宝塚大学, 東京メディア芸術学部, 講師 (20747729)
田尻 慎太郎 横浜商科大学, 商学部, 准教授 (90410167)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 中退分析 / 大学中退 / 教育社会学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は日々変化し蓄積していく学生データと大学における教学データを確率的に関連付けたモデルを構築し、大学生の退学を防止する為に行う教育サービスの意思決定を支援することである。 平成28年度はデータ整備と学生モデルの構築、さらに学会等における成果の発表とフィード・バックの取得を行った。 データ整備に関しては(1)大学内に存在する教学データと学生データをまとめる形でデータ整備を27年度から継続しておこなった。教学データと学生データに関してはモデル構築の際に必要なデータ量は確保したので、今後は作成したモデルを一般化し、評価するためのデータ収集を引き続き行っていく。次に中退を表現する学生モデルの内、(2)全体学生モデルの作成を行った。全体学生モデルでは一般的に退学に関連する変数をマクロ変数と定義付け、それを中退変数と結びつける形で構築した。次に、学生モデルの内(3)個別学生モデルの作成を行った。個別学生モデルでは個々の学生の退学に関連した変数をミクロ変数と定義付け、それを中退変数と結びつけた。(4)次に2つの学生モデル(全体学生モデルと個別学生モデル)を中退変数を仲介に結びつけ、学生モデルの統合を行った。この統合モデルにより全体的な学生の中退を個別のデータによって適宜修正をすることができるようになった。最後に(5)以上の学生モデルを学会発表論文としてまとめ、発表を行うことでモデルのフィードバックを取得し、モデルの再作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの整備に関しては現状のモデル作成段階までのものは終了した。ただし、今後は一度作成したモデルを現状の問題に適合させ、評価を行うとともに、ある程度の一般化したモデルを作成するためのデータを取得する必要がある。そのデータを取得が若干遅れている。 教学モデルの作成と学生モデルの作成は概ね順調に作成できている。今後は教学モデルと学生モデルの融合を果たしていく部分に注力して作成を行っていく。さらに、最終年度ということもあり論文としてまとめ、モデルの評価を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成29年度は(1)学生モデルと教学モデルの融合、(2)モデルの評価と報告の2点を中心に行っていく。 (1)の学生モデルと教学モデルの融合では、これまで個別に作成してきたモデルを融合し、中退率を導出していくと共に、中退防止するための教学サービスを提示するモデルを作成する。 (2)のモデルの評価と報告では、学会においてIRデータを用いた中退防止のセッションを行うとともに、それぞれのモデルを学会において報告し評価を行っていく
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度におけるデータ収集において評価用のデータ収集が終わらなく、また発表を予定していた国際学会が延期したためである。データ収集はモデルの作成の分は終了したが、作成したモデルを評価する段階のデータ収集が終わっていない。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度はデータ収集を継続して行い、作成しているモデルの評価を行っていく。さらに、中退率が下がっている大学へのヒアリング等も継続して行い、モデルが現場の感覚とかけ離れていないのかを確認する。 また、平成28年度に発表を予定していた国際学会は平成29年度に行うために29年度に発表を行う。
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