本研究の目的は日々変化し蓄積していく学生データと大学における教学データを確率的に関連付けたモデルを構築し、大学生の退学を防止する為に行う教育サービスの意思決定を支援することである。平成30年度はこれまでに作成した学生モデルと教学サービス評価モデルにおける(1)成果の発表を行うと共に、作成した学生モデルを用いてどのように中退防止を実施していくのかを考える(2)ワークショップを行った。 (1)成果の発表 これまでの学生モデル、教学サービスの統合部分を学会発表論文としてまとめ、教育工学会、教育システム情報学会、MJIR2018、NPSE2019: New Perspectives in Science Education International Conference等で発表を行った。 (2)ワークショップの実施 学生モデルを用いて提案される教学サービスを高大接続アプローチと教学アプローチの2種類に分け、学生ごとにいつ、どのサービスを行うことが必要なのかを平成29年度に行った取り組みを引き継いだ形のワークショップの中で検証した。教授会後にカウンセラー、教員、職員の3者を参加者とし、この学生モデルには誰が、どのようなサービスを行うべきなのかを導出した。高大接続アプローチでは入学前において中退リスクが高い学生に対して、どのような入学前教育を行うことが適切なのかを決め、教学アプローチでは中退リスクが高い学生に対して入学後にどのようなサービスを行うことでリスクが減少するかを施策として決めた。
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