研究課題/領域番号 |
15K04389
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
渡邊 あや 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (60449105)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 北欧 / フィンランド / 高等教育政策 / 大学 / ガバナンス |
研究実績の概要 |
本研究は、北欧諸国における大学ガバナンス改革とそれにより生じた組織変容の実装を解明することにより、(1)「近年の改革により世界の大学のガバナンスモデルが収斂しつつある」という仮説を検証すること、(2)新たな体制下での大学組織の在り方を検討すること、を目的とするものである。新たなガバナンス体制のもとで、三者自治モデルに代表されるような各国固有の組織文化や伝統が、どのように変容しているのか(またはしていないのか)ということを明らかにする。 研究2年目である平成28年度は、研究初年度に策定し、現地の高等教育研究者からのフィードバックを経て修正を加えた研究枠組の妥当性を検討するために、フィンランドにおいて現地調査を行った。調査では、三者自治の現状について明らかにするために、現地の大学を訪問し、事務局長、大学の管理運営に関わる教授団の代表、大学の管理運営への学生の参加に関する研究を行っている研究者などにインタビュー調査を実施した。対象とした大学は、4年前にも、訪問調査を実施したことのあるところであったため、当時と同じ方にインタビュー調査を依頼し、現状認識に対する見解の変化を、テキストマイニングの手法を用いて明らかにした。結果として、調査を実施した大学では、今なお三者自治を基盤としつつも、ガバナンスにおいて、学長を含む執行部の裁量が拡大している(という見方がなされていること)が確認された。また、設定した研究枠組も、機能し得ることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日程の関係で、フィンランド以外の国の訪問調査を実施することはできなかったが、かわりに、フィンランドにおけるフィールドワークを当初よりもより深く、多面的な形で実施することができた。その結果、全体としては、概ね良好な成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、できるだけ早い時期に、フィンランド以外の国での調査を実施し、研究成果のとりまとめを実施する。年度後半には、研究成果の発表を学会発表、論文執筆等を通じて実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
勤務先の業務の関係で、予定していた北欧諸国(4か国)でのインタビュー調査を実施することができなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度のできる限り早い時期の予定していた調査を実施する。
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