本研究は、北欧諸国における大学のガバナンス改革とそれにより生じた組織変容の実相を解明することにより、①「近年の改革により世界の大学のガバナンス・モデルが収斂しつつある」という仮説を検証すること、②新たな体制下での大学組織のあり方を検討すること、を目指すものである。研究の結果、三者(教授・教授以外の教職員・学生)自治の伝統を維持しつつも、「コミュニティとしての大学」の実態には変化が生まれつつあることが明らかになった。このことから、北欧の事例は、「近年の改革により世界の大学のガバナンスモデルが収斂しつつある」という仮説を一定程度裏付けるものであると言える。
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