現代の小学生の人物描写の傾向に関する描画調査を実施した結果,認識的に人物の特徴を捉える描写傾向の減少が見られた。また,形式化や記号化の増加が見られる等,人物描写傾向の多様化を確認した。人物描写の自己評価では,学年の進行に伴い数値の下降傾向とともに,6年生では二極化が見られた。 その反面,「表わそうとしたこと」等の記述件数が学年の進行に伴って増加しており,1年生を除く全ての学年でそれらの記述件数と自己評価の数値に正の相関(6年生:r=0.514)を確認した。 以上のことから,人物を大人のように描くことができるかどうかではなく,子どもの表現意図や工夫を第一義的に捉えた指導の必要性を確認するに至った。
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