平成18年の教育基本法改正の趣旨を受けて平成20年度の小学校学習指導要領から低学年の国語に伝統的な言語文化として神話が加えられた。4社の教科書教材「いなばのしろうさぎ」は、どれも原典(『古事記』)とは異なる一義的な教訓話になっている。実践にも神話というジャンルに即した指導は見られない。そこで原典に即した紙芝居を作って調査したところ、低学年の児童でも原典の内容を把握できることがわかった。神話の多義性・比喩性という特徴を生かして「学習者を主体者とする読みの指導」でなければならないことと、「原典の内容の尊重」・「日本神話を世界の神話と比較する観点」をふまえた教材化の重要性を明らかにした。
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