研究課題/領域番号 |
15K04423
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
真島 聖子 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10552896)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 共通教材 / 社会的課題 / 市民的資質の育成 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究成果は,以下の4点にまとめることができる。 1.日本と韓国の教員養成大学(愛知教育大学と晋州教育大学校)の国際交流プログラムに参加する学生を対象に,日本と韓国における社会的課題についてアンケート調査を実施した。アンケート調査の結果の分析から,市民的資質の育成を目指した教材開発の視点を得ることができた。 2.韓国の高校生を対象に,韓国と日本が抱える社会的課題についてアンケート調査をした結果を分析し,日本社会科教育学会の全国大会(自由研究発表)で発表した。学会参加者からは,研究に関する示唆や助言を得た。 3.アンケート結果の分析と学会発表における助言をふまえて,韓国と日本の高校生を対象とした共通教材を開発し,韓国の高等学校において,3クラスで各1時間,合計3時間授業実践を行った。また,その授業に協働参画した韓国の高校教諭と共通教材の在り方と授業実践について,改善点を検討した。 4.平成29年度に日本の高等学校で授業実践を行うため,日本と韓国の研究協力者が集まって,教材開発・授業研究の会議を開き,コンセプトを確認し,実施計画を作成した。また,多文化の視点を取り入れた新たな教材を開発するために,インドネシアのスラバヤ大学の研究者の協力を得て,フィールドワークやインドネシアと日本の大学生交流,小学校訪問などの実地調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
韓国の高等学校教諭の協力を得て,韓国の高校生を対象としたアンケート調査と調査結果の分析を終え,共通教材の開発を行い,授業実践と検証を終えることができた。また,共通教材開発のための新たな視点として,「多文化」をテーマに,インドネシアにおける実地調査を行い,教材研究を行うことができた。平成29年度の研究計画について,研究協力者との共通理解が図れており,共通教材を活用した日本と韓国の高等学校における授業実践の見通しも立っているため,おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,新たな共通教材を開発するために,日本の高校生にアンケート調査を実施し,教材の開発に活かす予定である。幅広い視点から,共通教材を開発し,日本と韓国の高校生を対象とした授業実践を行い,その成果と課題を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
H29年度に,複数回の授業実践を実施する計画から,H28年度の予算の一部をH29年度に繰り越すことで,研究の推進に支障がでないようにした。その分,アンケートの整理補助や翻訳等は,研究代表者が自ら行い,次年度の研究費の確保に努めた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は,日本と韓国の研究協力者とともに,複数回の授業実践と検討会を行う予定であるため,旅費や教材開発に必要な教材研究費の適切な執行に努める。また,より広い視野からの共通教材の開発を実施する必要性から,インドネシアの研究者との国際共同研究を一層推進する予定である。研究会開催の会議費や旅費の執行も適切に行う。
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