研究課題/領域番号 |
15K04425
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
守田 庸一 三重大学, 教育学部, 准教授 (60325305)
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研究分担者 |
宮本 浩治 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30583207)
間瀬 茂夫 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90274274)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 国語科 / レトリック / 説明的文章教材 / 国語学力 |
研究実績の概要 |
平成27年度においては、下記の[調査1]・[調査2]を行うことを通じて、説明的文章教材におけるレトリックに着目した国語学力の関連性を仮説的に描き出した。 [調査1]説明的文章教材におけるレトリックの把握(文献の調査):小学校の国語科教科書に掲載されている説明的文章教材を調査し、それらの教材におけるレトリックとその使用頻度について考察した。さらに、この結果と、これまでの研究で明らかにした、中学校・高等学校の国語科教科書に載っている説明的文章教材におけるレトリックとその使用頻度を統合して検討した。小学校から高等学校までを通して国語科教科書所収教材を分析することで、説明的文章教材における一人称使用に関わるレトリック性の発現について考察したり、小学校低学年の説明的文章教材から見られる、事象を対比して述べる叙述方法が、事象を対比してそのうち一方の価値を主張するレトリックに発展するといった、レトリック使用の側面を確認したりすることもできた。 [調査2]説明的文章教材のレトリックに焦点化した国語学力の把握(授業の観察・分析):小学校・中学校において先駆的な実践を行っている研究協力者2名による、説明的文章のレトリックを扱った国語科の授業を観察・分析し、学習者のレトリック理解を把握した。当初の計画では、研究協力者1名による小学校での授業のみを対象にする予定であったが、小学校から中学校にかけての連続性を考慮し、小・中学校での授業を観察・分析することとした。さらに、それ以外にも小学校における説明的文章教材のレトリックを扱った国語科授業を複数観察し、研究協力者による授業の普遍性と特殊性についても検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施計画に従って研究を進めたが、学習者を対象とした調査(質問紙による調査及び学習者が記した作文の分析)について、実施できなかったり分析・考察に値する情報を十全に得られなかったりした。そのため、当初想定していた国語学力形成の筋道を導出することについての成果を十分にあげられなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画にしたがって、平成28年度には国語学力を系統的に育てる授業モデルの構築を目指す一方、平成27年度において計画通りの成果を得られなかった調査について、その補完を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度実施した調査において、これまでの研究で使用した機材等も用いることができた。また、平成28年度における教科書改訂を見通して、資料(教師用指導書等)を、次年度に予定されている授業観察・分析とインタビュー調査において用意することにした。さらに、当初は研究代表者・研究分担者・研究協力者全員が集まって研究の方向性等を審議あるいは確認する研究会合を催す予定であったが、その場を設ける必要が生じなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度には、研究実施計画にしたがって授業モデルを構築するために、平成27年度に成果をあげられなかった調査を補完するとともに、より詳細な授業観察・分析を実施し、合わせてインタビュー調査も行う。これらの調査等を実施する上で必要となる機材や資料を用意するための物品費、そして授業観察・分析あるいは研究会合を実施するための旅費として、次年度使用額を使用する。
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