研究実績の概要 |
本研究は,モノづくりを通して生涯教育に導くことを目標に掲げ,本年度は,次の事項について調査・研究を行った。 1.素材と加工に関する調査:子どもから大人がモノづくりを身近に感じ,理解を深めることを目的に,文献調査と素材の収集を通して,素材,用具,制作工程などさまざまな視点から,教材集の素材として使用できる内容を検討した。 2.伝統工芸の視察および資料収集:東京都,神奈川県,福井県,愛知県,福岡県などの伝統工芸を視察し,注染,染色,漆器,和紙,織物などの素材や用具,制作工程を記録し,伝統工芸に関する資料収集を行った。これらの資料をもとに,教材集「伝統工芸から学ぶモノづくり」の試作教材および,動画を活用したICT教材を作成した。また,これまで調査研究で訪れた伝統工芸のイベントにおけるモノづくり体験の取組や内容について論文にまとめ報告した。 3.伝統工芸士等への聞き取り調査:津軽塗,南部鉄器,大館曲げわっぱ,宮城伝統こけし,江戸木版画,飯山仏壇,越前漆器,越前和紙,香川漆器,有松・鳴海絞,大阪欄間,博多人形,本場大島紬,壺屋焼などの伝統工芸に携わる伝統工芸士や職人から,伝統工芸の課題,素材や制作工程,普及・発展などについて聞き取り調査を実施した。 4.講座の実践研究:小学生および施設職員などを対象に,「江戸風鈴」,「シーサー」,「大阪金剛すだれ」,「水引」,「組みひも」の「伝統工芸モノづくり講座」を実施し,活動内容をHPで公開した。また,各伝統工芸の「モノの比較本」および動画を活用したICT教材を作成した。これらの教材は,「伝統工芸から学ぶモノづくり」教材集にまとめ,2019年度に加筆・修正,再編集を行い,HPで公開・配信する予定である。
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