研究課題/領域番号 |
15K04443
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉富 巧修 広島大学, 教育学研究科(研究院), 名誉教授 (20083389)
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研究分担者 |
三村 真弓 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00372764)
水崎 誠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50374749)
伊藤 真 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70455046)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 音楽科教育 / 音楽科の学力 / 自己効力感 / 内発的学習意欲 / 保幼小中連携音楽カリキュラム / 「ふしづくりの教育」 |
研究実績の概要 |
本課題の第1の目的である「学習者の自己効力感と内発的学習意欲の喚起・持続・発展を重視した、音楽学習法・音楽指導法を開発すること」に関しては、「ふしづくりの教育」を中心として研究を進め、大きな成果を得た。特に、岡山県における「ふしづくりの教育」の実践を意欲的に行った岡山県倉敷市立茶屋町小学校、同玉野市立八浜小学校、同岡山市立豊小学校の元教諭10名に対してインタビュー調査を実施した。これらの具体的な成果として、論文「岡山県倉敷市立茶屋町小学校における「ふしづくりの教育」-第6学年の実践(昭和52年度)-」(中国四国教育学会編『教育学研究紀要』CD-ROM版)、学会発表「岡山県における「ふしづくりの教育」-第1学年の実践(昭和52年)-」(日本音楽教育学会:宮崎大会)等がある。 さらに、第2の目的である「保育所・幼稚園・小学校・中学校における音楽学力を、一貫的かつ総合的に研究することによって、音楽学力の体系的な構築をめざした保幼小中連携音楽カリキュラムを開発すること」に関しては、スペイン・カタルーニャ州・グラノイエス市、ペラアントン校(同校では、幼小一貫教育が実施されている)から、ラウラ・アスパウレヤ、カルメン・ナヘラ・ムルガデヤの2名の教師を招聘し、平成27年度日本音楽教育学会宮崎大会にてシンポジュームを開催し、さらに広島大学にてワークショップを開催し、大きな成果を挙げた。これらの具体的な成果として、論文「子どもが育つ音楽教育(2)ペラアントン校におけるヴィレムスの聴取力指導、および即興ダンス-」(『音楽教育学』45-2)等、学会発表「Interdisciplinary project: “Alfresco Concert” -Primary research in the Pereanton school of Granollers;Catalonia」(バルセロナ自治大学(スペイン))等がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1の目的に関しては、「ふしづくりの教育」を中心として、雑誌論文1点、学会発表3件を発表した。 第2の目的に関しては、スペイン・カタルーニャ州グラノイエス市ペラアントン校を訪問し、その幼小一貫音楽教育の実態を調査した。さらに、同校から2名の音楽教師を招聘し、平成27年度の日本音楽教育学会宮崎大会にてシンポジュームを開催し、広島大学にてワークショップを開催した。同校の音楽教育に関して、雑誌論文1点および学会発表2件を行い、その他として雑誌論文3点、学会発表2件を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
第1の目的に関しては、「ふしづくりの教育」を中心として、アクティブ・ラーニングの視点も加味して、研究を推進する。さらに、古川小学校での「ふしづくりの教育」が途絶した後にも「ふしづくりの教育」を実践した、岐阜県羽島郡笠松町立下羽栗小学校での成果も研究する。 第2の目的に関しては、ペラアントン校の幼小接続音楽科カリキュラムの研究をさらに進める。加えて、ハンガリー、イタリア等の欧米の先進的な実践のカリキュラムも研究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、EECERA(欧州乳幼児教育学会)での発表のみで、PECERA(環太平洋乳幼児教育学会)では研究発表しなかったために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
7月7日から9日まで、タイ・バンコク・チュラロンコン大学で開催される、PECERA 2016 17th Annual Conference in Bangkok Thailand で研究発表するために、次年度使用額を使用する。
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