研究課題/領域番号 |
15K04444
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高橋 雅子 山口大学, 教育学部, 教授 (50432729)
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研究分担者 |
沖林 洋平 山口大学, 教育学部, 准教授 (20403595) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 変声期指導 / カンビアータ・コンセプト / パート分け / 教材開発 / 合唱指導 |
研究実績の概要 |
1.カンビアータ・コンセプトに関して、理論をまとめた。 筆者は、アーヴィン・クーパーIrvin Cooperによって研究・考案されたカンビアータ・コンセプト Cambiata Conceptを適用し、小学校高学年男子及び中学生男子を対象として変声期の研究・実践を行ってきた。カンビアータとは、変声期初期(第一段階)のことである。 2.変声期男子の声域・パート分けについては、附属光中学校の教員と共同で声域調査を実施するとともに、パート分け実践を行った(平成28年度末) 。研究結果は、学会及び論文において発表した。具体的には、平成29年度は、中学校3年生男子を対象として、カンビ アータ・コンセプトの方法論を適用したパート分け及び 声域調査を実施した上で、当該男子の小学校6年生・中学校1年生・中学校2年生の研究結果と比較・検討した。研究対象は限定されるものの、縦断的にパート分けと声域調査を実施して個々の声域等の変化を明らかにすることで、この方法論の有効性について検証した。また、予備調査も含め、5年間に渡ってカンビアータ・コンセプトの方法論を適用したパート分けを実践してきたことから、方法論の特徴や課題についてまとめた。 3.変声期男子についての心理的課題調査項目は、先行研究の検討を行った。 4.教材開発については、変声期初期(カンビアータ)の声域に配慮したパートを含む3曲の合唱作品を委嘱した。 具体的な委嘱合唱作品は、次の通りである。 ・キリエ(伴奏付き:混声三部合唱、ア・カペラ:混声四部合唱)・サンクトゥス(伴奏付き:混声三部合唱、ア・カペラ:混声四部合唱)・アニュス・デイ(伴奏付き:混声三部合唱、ア・カペラ:混声四部合唱)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カンビアータ・コンセプトの研究は、研究代表者が優先度を決めて採用事項等を決定するため、基本文献やデータ収集・分析は滞りなく進んだ。 また、附属学校との協力を得て、カンビアータ・コンセプトの方法論によるパート分け及び声域調査を行い、その結果を学会・論文において発表した。 変声期初期の声域に配慮したパートを含む合唱作品の委嘱は、予想以上に作曲家のカンビアータ・コンセプトの理論や研究目的の共有に時間がかかり、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は研究のまとめ年度にあたるため、それぞれの進捗状況を再度見直した上で、計画的に進めていきたい。 平成29年度は教材開発に着手したものの、計画より遅れ、年度末に委嘱の合唱作品が仕上がった。平成30年度は、この開発した教材の有効性について検証していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
教材開発の委嘱が遅れたため、平成29年度末に合唱作品が納品された。平成30年度は、開発した教材の検証を行い、その成果を学会・論文で発表する計画である。
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