研究課題/領域番号 |
15K04446
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
吉田 茂樹 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (20737837)
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研究分担者 |
渡辺 春美 高知大学, その他部局等(名誉教授), 名誉教授 (10320516)
武久 康高 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (70461308)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小中高の共通教材 / 段階的・系統的な指導 |
研究実績の概要 |
2年目は、小中高における古文の共通教材の中から、主に「春はあけぼの(枕草子初段)」の授業化を取り上げ、以下の3点の研究を進めた。 ①1年目に設定した「授業モデル」のアウトラインにしたがい、実践の目的・内容・方法(言語活動)を、学会、講演会や研究会の場で現場の実践者と検討することを通して、実効性の高いモデルに修正した。さらに、文学研究と国語教育学研究の知見を総合することで、新しい視点からの教材観を考案した。 ②上記①で設定した実効性の高い「授業モデル」のアウトラインにしたがって、高知大学教育学部附属小学校及び中学校で実践するための学習指導案を作成した。小学校教諭・中学校教諭との事前検討を通して、教材研究の成果を学習指導案に反映するだけでなく、実際の小学生・中学生が主体的に取り組めるように、特に言語活動の面を修正した。 ③上記②で作成した学習指導案にしたがい、高知大学教育学部附属小学校において、平成29年3月7日~10日に4時間の検証授業を行った。授業の様子はビデオカメラ等で記録してデータを集積した。ビデオカメラの映像による記録に加えて、ワークシートによる児童の記述と事後の実践に関する統括の検討会において、小学校教諭・中学校教諭からの実感的な意見や感想を収集した(中学校の実践に関しては、平成29年5月に実施予定)。 以上の、教材研究、学習指導案、検証授業のデータを用いて小学校実践に関する分析を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の全体像としては、小中高の古文の共通教材4作品を取り上げる予定であったが、授業化に至る以前の教材観の確立に時間を要し、結果的に「春はあけぼの(枕草子初段)」を授業化するまでとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2年目に実施した検証授業のデータを分析・考察し、カリキュラムと「授業モデル」の修正を行う。その際、必要があれば、追加の検証授業を実施する。今回の研究の一環として行った高知大学教育学部附属小学校と同中学校における検証授業における学習指導案は、分析・考察の結果とともに、刊行物(「高知大学教育学部研究報告」を予定)を通して公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会2回が、体調不良(インフルエンザ)と校務との日程調整がつかず欠席したため、旅費が不要となった。さらに、授業実践を附属小学校と同中学校で行ったため、人件費・謝金等が不要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は昨年不参加だった学会、研究会に出席できる予定である。さらに、追加の検証授業において、公立の小中高の教諭等に支払う人件費・謝金等が発生することを見込んでいる。
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