研究課題/領域番号 |
15K04457
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
齋藤 昇 立正大学, 社会福祉研究所, 客員研究員 (60221256)
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研究分担者 |
秋田 美代 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80359918)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 数学イノベーション / 創造的思考 / 教材開発 / 授業モデル / 教師教育 |
研究実績の概要 |
①数学イノベーションを生み出す数学複合教材の作成: 小学3年生から高校1年生を対象として、数学イノベーションを生み出す力を育てるための数学複合教材を開発した。複合教材は、各学年とも4種類の教材「構造的・体系的思考力を高める教材」「知の創造力を高める教材(知識生産型問題)」「知の創造力を高める教材(知識創造型問題)」「イノベーション力を高める教材」で構成した。知識生産型問題は、正解があり、かつ解決方法が多数ある問題である。知識創造型問題は、正解がなく、自ら解や解決方法を生み出す問題である。イノベーション力を高める教材は、身近な生活や自然における諸課題を数学を活用して解決する問題である。 ②数学イノベーションを向上する数学授業モデルの開発: 数学イノベーション力を発揮するためには、その源となる知識の基盤が必要である。そこで、イノベーション力を高めるための知識の基盤づくり方法、課題の解決場面において、解決方法を柔軟的に思考し、解決に必要なアイディアを生み出し、新たな知や価値を創造する学習過程のモデル化を行った。 ③授業実践についてのデータの収集: 中学生、高校生を対象として、開発した数学教材について実践を行った。実践数はまだ少ないので、結論づけることは困難であるが、トレーニングを行わない場合は、柔軟性の得点の平均は百分率で22点、独創力の得点は6点、イノベーション力の得点は22点であった。また、生徒の75%はワンパターンの解答であった。独創性のみられる生徒は学級集団の5~10%であった。トレーニングを行うことによって創造性やイノベーション力は高まっているが、具体的な数値は、次年度に調査・分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学3年生から高校1年生までを対象として数学イノベーション力を育てる数学複合教材を開発したが、その教材の実践、有効性の検証が残されている。
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今後の研究の推進方策 |
①数学イノベーションを生み出す数学複合教材の開発と検証: 数学イノベーションを生み出す力を高めるための数学複合教材をさらに開発し、実践を通してその効果・信頼性を検証する。 ②数学イノベーションを向上する数学授業モデルの開発とその有効性の検証: 数学イノベーション力を高める数学授業モデルを開発する。そのモデルに基づく授業実践を行い、モデルの有効性を検証する。また、その成果を教師教育に適用する。
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