本研究プロジェクトは幼稚園でのアート教育が子どもの主体性を育てるのではないかという仮説を検証するために、幼稚園での子どものアート活動を観察した。対話主義の立場から、アート制作過程での作品に対する大人の提案に対し、子どもたちがどのように応答するのかに焦点を当てた。子どもたちは受動的に受け入れることなく、能動的に選択し、また受け入れる場合でも自分なりのものへ統合しており、そこに子どもの主体性が表れていた。この園での大人は子どもに提案するだけでなく、子どもから出てきた考えを面白がり、それを学ぶ対話的な存在であり、このような大人の在り方が子どもの主体性の育ちに重要であることが示唆された。
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