研究課題/領域番号 |
15K04462
|
研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
平田 豊誠 佛教大学, 教育学部, 准教授 (90733270)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ルーブリック / 作問 / 理科 / 評価 / 場面解決型問題 |
研究実績の概要 |
本研究は、場面解決型問題を導入した授業の中で、児童・生徒ら(以下学習者)によって作問された問題について,学習評価を円滑・適切に行うためのルーブリックの開発および妥当性・有用性の検証を目的としている。場面解決型問題とは,学習者自身が問題を作成し,解答も行うという方法を取り入れた授業(作問を通した授業)であり,作成する問題は,理科で学習した内容を単に問うものではなく,ある場面を設定し,それを解決していくための方法を答えるオープンエンド形式のものとしている。 平成27年度においては,授業時に生徒によって作問された29問についてデータベース化を行った。これは中学校3年生の理科授業において,出題範囲を既習の地学領域に限定した,オープンエンド型の場面解決型問題を学習者に作成させ,学習者相互に解答させる授業を行った際のものである。 また,小学校理科において作問授業が導入可能かどうかを検討し,児童が作成した問題を評価するための具体的な指標となるルーブリックを開発し,学習評価としての可能性の検討を行った。結果として,開発したルーブリックを使用することで,児童が作成した問題を採点・評価することができることが明らかとなった。これらから,小学校理科において作問授業を導入することが可能であると判断するに至った。また,児童が作成した問題を評価するためのルーブリックを開発することができ,学習評価の一手法としての可能性を示すことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1つ目の目的である,小学校・中学校において場面解決型問題の授業プログラムのルーブリックの開発を行う,という内容について,小学校において場面解決型問題の授業実践を行い,作問された問題についてルーブリックを開発することができた。中学校において場面解決型問題の授業実践を行い,際に作成された問題のデジタルデータ化を行うことができた。 2つ目の目的である,開発したルーブリックの妥当性を分析し,有用性を検証するための授業実践を計画す,という内容について,小学校において検証授業を行い,開発されたルーブリックの妥当性,有用性を検証することができた。 上記2点について,小学校におけるルーブリック開発及び妥当性有用性の検証については,成果と取りまとめ投稿中にある。また,中学校での授業において,作成された問題をまとめた内容を教育学部論集にまとめた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度に得られた結果を基にして,開発したルーブリックの有用性を検証するための授業実践を行う。 中学校所属である研究協力者とともに検証のための授業実践を行い,開発されたルーブリックの有用性について検証する。ここでは,作問による学習評価の実用性の観点から,開発したルーブリックの学習評価の円滑さ,適切さについて検証する。検証時期は,中学校では2学期または3学期を予定している。 また,小学校理科における実践授業において作問された問題をデジタルデータ化していく。これらの実施時期は,28年度後半以降を想定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
旅費の使用が控えられた点にある。研究打ち合わせをオンライン上で行うことができたことが主な理由である。次に,謝金使用が控えられた。これは研究代表者によりデータ入力等を行うことができたためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
28年以降は,研究打ち合わせ及び成果発表のための旅費として使用していく。また,小学校や中学校,高等学校における授業実践により作問された問題及び開発されたルーブリックのデジタルデータ化を行うためのデータ入力謝金として使用していく。併せて,論文の抜き刷り費用や統計分析用のPCソフト等の購入費として使用していく。
|