白紙に絵を描くことに逡巡する子どもを一人でも多く救う手だてを講じることは、教育・保育現場にとって急務であると言える。そこで幼稚園と大学の連携により、子どもの描画発達を促進する支援の推進を喫緊の課題として研究を進めてきた。結果、描画発達の停滞を打破するには、言語的刺激と他者からの図像イメージを借りる「イメージの借用(Borrowing Images)」という視覚的刺激が突破口になるという結論に達する。言語的にも視覚的にも自由なイメージの喚起力を備えたシュルレアリスムの視点に着目して、イメージの生成に寄与する活動の検証を進め、幼児教育と鑑賞・表現教育、芸術と援助の方法を統合した教育実践を展開した。
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