研究課題/領域番号 |
15K04469
|
研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
大滝 一登 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (10544299)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 音声言語 / 文献収集 / 実践記録 |
研究実績の概要 |
2年目における研究成果としては、初年度に引き続き、高等学校段階における音声言語スキルに関するカリキュラムモデルの構築に向けた文献・研究状況の収集が挙げられる。 収集に当たっては、研究所内の図書館や他の図書館等における文献に加え、国語科教科書の記載、学会における研究状況の収集等を行い、高等学校に限らず、音声言語に関する研究資料を対象としている。 文献については、初年度に収集したものに加え、中学校における音声言語教育に関するもの、昭和30年代以降の高等学校「現代国語」における音声言語教育の実践に関するものなどを中心に収集し、整理を行った。学会の動向については、主に全国大学国語教育学会の研究大会に参加し、音声言語に関する研究発表の状況の把握や研究者との情報交換を実施し、初年度に引き続き、音声言語スキル全般の研究状況に加えて、高等学校段階に特化した研究の存在の有無や研究内容等について状況の確認を行った。 また、高等学校教員に対するヒアリングや授業研究等の機会を通して、高等学校における「話すこと・聞くこと」の実践状況についても調査を行った。高等学校においては、義務教育段階で身に付けた音声言語に関する資質・能力についての理解が十分でないことに加え、「話すこと・聞くこと」に関する指導経験も十分でないことから、指導がカリキュラム的視点で行われていないことが多いことが明らかとなった。 上記の方法で収集した情報を検討し、さらなる情報の収集のための文献探索や、高等学校における音声言語指導に関する実践者の情報の収集を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
依然として、義務教育段階に比べて、高等学校段階の文献や資料等は非常に限られており、音声言語に関するカリキュラムモデルの構築と検証には十分とは言えない状況である。 特に、カリキュラムを見据えた実践等に乏しく、単発の取組に終わっているものがほとんどであった。理論的なカリキュラムモデルと実践的なカリキュラムとの調整をどのように図っていくかについては、今後十分な検討が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度の研究に当たっては、これまで収集した文献や公示された次期学習指導要領等を踏まえ、まず義務教育段階における音声言語スキルについて整理を行う。また、高等学校教員等の協力を得て、高等学校段階における音声言語スキルに関するカリキュラムモデルの開発を試行する。研究方法については、文献調査から国内外における実践的調査へと軸足を移すものとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初、研究代表者や研究協力校等において使用する物品の購入等を予定していたが、文献収集を行う過程において、初年度と同様、カリキュラムモデルの構築に向けた研究計画の見直しが必要となったため、今後構築するモデルやその検証に必要な支出計画についても再考を要していたことによる。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究協力校および研究協力校としての高校教員への協力を進め、必要な物品・文献等の購入を進めるとともに、状況に応じて、訪問調査を行う。
|