研究課題/領域番号 |
15K04474
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
小磯 重隆 弘前大学, 教育推進機構, 准教授 (50431458)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アクティブラーニング / キャリア教育 / 教材開発 |
研究実績の概要 |
本研究は、「教員が何を教えたか」ではなく、「学生が何をできるようになったか」、「学びが楽しい(動機づけられる)」ことを実現するため、学生が能動的に参加する授業形態であるアクティブラーニングを多人数で実践できるモデルを研究する。少人数グループではなく、100人~300人の固定式な机と椅子の教室を前提とする。多人数で実践できる演習モデルを研究し、若者の就業力を培うキャリア教育の一端を担うことを研究目的としている。 本年度は、「多人数アクティブラーニング実践モデル」のパターン抽出を行った。1)先行研究事例の確認、2)事例の分析、3)適用可否の判断、を行った。労働政策研究・研修機構「労働図書館」での文献調査、中央職業能力開発協会主催「自己表現を引き出すグループづくりのために」研修参加、関連書籍調査から、事例の再現を試みた。アクティブラーニング自体の研究ではなく、講義室が固定式の机や椅子で300人の受講生でも活用できる形式を検討した。パターン抽出は、パターン①:学生ひとりで実施、パターン②:2人~3人で実施、パターン③:4人~数人(座席2列)で実施、パターン④:教室を左右で分ける方法、パターン⑤:歩いてチームを探す(人を集める)方法などの検討を行った。この方法区分に具体的な教育内容を立案して教材開発を行っている。固定式の机・いすでは、単純なグループディスカッションを行う場合でも、振り向く側の学生の体勢が悪く「学生間の距離が広がる」などの課題も明らかになってきた。教材については、一人用プロジェクター(スマートグラス)の利用、パソコンによる動画、PDFファイル利用など、新しい試みについて検討した。しかし、他大学等の経験者・実施者ヒアリングの調査は実施できなかった。 多人数アクティブラーニングの実践モデルを明確にし、誰でも利用・活用できるようにするため、次年度への課題を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の計画を3区分し、第一の計画は、「多人数実践モデル」のパターンを抽出。第二の計画は、「検討すべき実践パターン」を実際に実施。第三の計画は、「効果の見込める実践パターン」の効果評価を行う。本年度は、第一の計画を主に、「多人数実践モデル」のパターン抽出を行った。 アクティブラーニング自体の研究ではなく、講義室が固定式の机や椅子で300人の受講生でも活用できる形式を検討している。パターン抽出は、パターン①:学生ひとりで実施、パターン②:2人~3人で実施、パターン③:4人~数人(座席2列)で実施、パターン④:教室を左右で分ける方法、パターン⑤:歩いてチームを探す(人を集める)方法などの検討を行った。この方法区分に具体的な教育内容を立案して教材開発を行っている。固定式の机・いすでは、単純なグループディスカッションを行う場合でも、振り向く側の学生の体勢が悪く「学生間の距離が広がる」などの課題も明らかになってきた。他大学等の経験者・実施者ヒアリングの調査は実施できなかった。しかし、第二の計画「検討すべき実践パターンを実際に実施」、も一部行った。次年度に向けて、方向性をつかむ意味で、パターン抽出の後にアクティブラーニング案を実施した。 アクティブラーニングが示す授業の形態や内容は非常に広く、その目的も様々である。また本研究は、100人~300人の固定式な机と椅子の教室を前提として、条件の悪い中で、どう取り組めるかを検討することに意義がある。多人数アクティブラーニングの実践モデルを明確にし、誰でも利用・活用できるようにする。パターン抽出をもとに、この方法区分に具体的な教育内容を立案して教材開発を行っている。他大学等の経験者・実施者ヒアリング調査に遅れもあるが、一方で、一部の案について、実際に実施し、予定より進んだ部分もあった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の計画は3区分あり、第一の計画は、「多人数実践モデル」のパターンを抽出。第二の計画は、「検討すべき実践パターン」を実際に実施。第三の計画は、「効果の見込める実践パターン」の効果評価を行う。次年度は、第二の計画を主に、「検討すべき実践パターン」を実際に実施する。 本学にて実施するキャリア教育は昨年度まで「選択授業」であった。次年度より新しい教養教育及び教養教育の高次化として、1年次必修(約1400名)、2年次以降選択必修(医学部、教育学部を除く約800名)が決まっている。体系的なキャリア教育を目指しているが、多人数での開講も多い。この中で「多人数アクティブラーニングの実践モデル」を試行する。第一の計画では「多人数実践モデル」のパターン抽出を行ったが、これに不足するものとして、基本的ではあるが、「学生参加型授業」としてコメントや質問を書かせること、ICTを活用した授業、小テスト、ミニレポートも能動的な学習につながり得るものである。100人~300人の固定式な机と椅子の教室を前提として、条件の悪い中で、どう取り組めるかを検討しているが、研究計画していなかった「条件の悪さに影響を受けない方法」も検討することとする。第一の計画「多人数実践モデル」のパターン抽出を継続しつつ、第二の計画「検討すべき実践パターン」の実施を行う予定である。 アクティブラーニングが示す授業の形態や内容は非常に広く、その目的も様々であるため、条件の悪い中で、どう取り組めるかの検討を軸にし、多人数アクティブラーニングの実践モデルを明確にし、誰でも利用・活用できるようにする。第三の計画「効果の見込める実践パターン」の効果評価についても、前倒して次年度に一部を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、情報収集及び中央職業能力開発協会主催関連研修への参加等で予定以外の旅費がかかり、他大学等の参考事例調査が実施できなかった。15162円の繰越研究費が生じた。調査研究のための1回分旅費としては少額であり、繰越研究費となった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にも、他大学等の参考事例調査を予定しているが、これを1回増加して計画する。 物品費として、アクティブラーニング関連図書及びキャリア教育・職業能力開発関連図書(3000円~5000円×各10冊程度)50,000円、開発する教材の文具・材料費・教材費215,162円を計画している。開発する教育内容を今後検討していくため、必要となる教材は現時点では確定しないが、紙・ファイル類・文具・データ保持・テキスト等及びICT活用の場合にはプロジェクター等機材を購入する見込みである。旅費として、資料収集(職業能力開発総合大学校・労働図書館など)2回、100,000円、他大学事例調査3回、1500,000円を計画している。直接経費として515,162円、間接経費150,000円を計画している。
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