研究課題/領域番号 |
15K04481
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
松藤 みどり 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (30271464)
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研究分担者 |
大塚 和彦 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (80331304)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | CAN-DOリスト / CEFR / 外国語活動 / ALT |
研究実績の概要 |
CAN-DOリストとは何かを考えるに当たり、参考文献として書籍(CEFR ガイドブック 投野由紀夫 大修館書店2014年)を購入した。 都内の小学校難聴学級を訪問し、nativeの教師による通級指導の現場を視察した。一般の小・中学校に在籍する聴覚障害児の到達目標と聴覚特別支援学校(聾学校)に在籍する児童・生徒の到達目標の違い等について、視察に同行した研究協力者(千葉県立聾学校支援部教員)および難聴学級教員、およびALTと話し合った。 研究協力者である千葉県教育委員会から派遣された長期研修生の学内最終発表会を開催し、他の協力者(都立ろう学校高等部教諭および大阪教育大学大学院生)にも参加してもらい、研修の成果である冊子「聞こえにくい子どもも楽しむ外国語活動-手立て集-」を軸に、聴覚特別支援学校におけるCAN-DOリストの枠組みについて検討した。手話通訳をつけたことにより、学内の聴覚障害の教員ならびに大学院生にも参加してもらい、良い助言を得ることができた。 この冊子の中には聴覚障害児を指導するALTのために活用できる英文のリーフレットが含まれており、今後、聴覚障害児を指導するALTのためのCAN-DOリスト作成の足がかりになることが見込まれる。 CEFRを聴覚障害児・生徒の母国語または外国語習得の指標として取り入れている国があるかどうか、あるとすればどのような観点で導入しているかを調査するつもりであったが、アテネで開催された国際聾教育会議のプログラムには該当する研究発表は見当たらなかったので、参加計画をとりやめた。聾の言語とCEFRを結びつける研究としては、手話教育にCEFRを応用するものが数点見つかっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CAN-DOリストの例を聾学校から収集する予定であったが、期待したほど実施されていないことがわかった。CEFRやCAN-DOリストに関する聴覚障害教育関係の国際的な動向を知るために国際会議への出席を検討していたが、発表プログラムの中に本研究に参考になりそうなものは見当たらなかったため、参加しないことにした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には研究協力者を集める研究協議会を1回しか開催できなかったが、平成28年度には少なくとも2回開催して具体的なCAN-DOリストの作成に着手する。日本よりも英語教育が進んでいる韓国の、聴覚障害児・生徒に対する英語教育を視察し、CAN-DOリストの応用について調査する。調査先には米国またはヨーロッパを加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議(アテネ)に参加する予定であったが、研究テーマに関する発表が見当たらなかったので参加計画をとりやめた。研究協議会を1回しか開催できず、旅費を要する参加者も少なかったために予算が余った。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は研究協議会を少なくとも2回開催する。海外視察については予定している韓国の他、欧米も検討する。
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