研究課題
基盤研究(C)
体細胞分裂の観察実験の改良を目的として、倍数体を作成して大きな分裂細胞を持つ試料の調整を試みた。高等学校における実践では顕著な効果は得られなかったが、単元を通じて倍数体について触れることが単元内容の理解につながるという副次的な効果が得られた。また、組織化学的解析によって分裂領域の範囲を特定し、その長さの根を用いることの効果を示し、植物ホルモン処理によって分裂領域が広がる可能性を示した。
植物細胞学
体細胞分裂の観察実験は、中高の全ての教科書に手順が載っている基本的な実験であるが、成功率が低く、単元の理解につながらない場合が多い。本研究で特定した、分裂細胞の発見に適切な試料の大きさの知見を活用すれば、多くの生徒に生命の連続性を実感させることが可能になる。また、倍数体の導入そのものの効果は不明瞭であったが、倍数体の学習自体がDNA量の概念の理解を深めるという副次的成果も意義の一つであると考える。