研究課題/領域番号 |
15K04485
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
森本 信也 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (90110733)
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研究分担者 |
黒田 篤志 関東学院大学, 教育学部, 准教授 (10636393)
和田 一郎 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (70584217)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 汎用的な資質・能力 / 科学概念構築 / 科学概念の表象 / メタ認知 / 授業デザイン |
研究実績の概要 |
今年度の研究の目的は以下に述べる2点に集約できる。第1点目は、汎用的な資質・能力の育成を目指した理科授業における、子どもの学習に対するメタ認知の状況を分析したことにある。科学概念を論理的に構築する状況において、子どもが自らの論証過程について見通しをもち、かつ論証過程を振り返り、資質・能力の育成を自ら確証していく活動が重要だからである。このような活動の表れは、汎用的な資質・能力が適切に育成されている指標と捉えることができる。2点目は、メタ認知の育成を重視した理科授業デザインの視点を明確化することである。こうした視点を明確化し、教員養成を目指す学生がこの視点を活用して理科授業デザインし、その過程を分析し、活用する過程を明示した。上述した2点についての研究成果は、以下のようにまとめられる。 第1の研究成果は、子どもにおける汎用的な資質・能力育成の指標はメタ認知であることである。理科授業における子どもの学習活動の分析においてこのことは実証された。子どもが明確な見通しをもちながら学習に臨み、その過程で学習を修正したり、新たな計画をする様態が明らかになった。 第2の研究成果は、こうした視点を指導計画に取り入れ、その再現を検証することである。こうした視点から計画された授業について、教員養成を目指す複数の学生により分析を行わせ、この視点が成立することを検証することができた。 こうした視点が複数の学年、単元においても成立することを検証することが課題であることが明らかになった。29年度の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
汎用的な資質・能力の表れを評価するための指標としてメタ認知を措定することができた。この指標を基に、教員養成を目指す学生に授業を分析させ、この指標が成立るすることを検証することができた。理科における教員養成の基軸に、汎用的な資質・能力に関する情報提示とその核となるべき視点が明らかになった。 この成果について、3期に分けて専門学会において発表し、新たな知見として認められ、その成果の一部を学会における査読論文としてまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が本研究の最終年である。下記3点にその視点を絞り、研究成果をまとめる。 1.理科における汎用的な資質・能力の諸要素の関連性をまとめる。 2.1.を加味した指導計画をする上で、必須事項をまとめる。 3.2.を踏まえた指導を試験的に実施し、その有用性を提案する。
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