研究課題
従来、理科(物理)教育や数学(幾何学)教育と美術(造形)教育は、遠くかけ離れたものという認識が一般的であった。しかし近年、総合的学習が学校教育全般にいきわたり、教科の枠組みを外した横断的な内容が教授されるようになっている。これまで教具自体に当初から3教科分野の内容を教授できる教材を開発し、保健体育的内容も体験的に理解できる遊具として提案を続けてきた。今回、ここまでの研究で得られた新たな知見を取り入れ、普通教育においてもさらに分かりやすく教授できる教育遊具を開発しようとするものである。平成27年度では、平成25年度の研究過程において派生的に生成した「Tri-Sphericon」によって得られた知見「奇数正角形の回転体によるスフェリコン」の可能性をさらに確認するため、「正5角形スフェリコン」を開発した。完成させた試作は各種展示会に出品し鑑賞者の反応等を調査した。平成28年度は、「正6角形ハイブリッドスフェリコン」(正6形の対角線を軸とする回転体と、向かい合う2辺の中点を軸とする回転体の2つを想定し、それぞれを軸に沿って2等分した半分を60°ずらして得られる円錐面と円柱面が連続する立体)において「往復運動のための両端平面曲面化」を実施し、大型の遊具として開発した。平成30年度には、予定していた正7角形による「奇数スフェリコン」の試作品制作は、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智本学特別栄誉教授の「記念学術館」の展示デザイン監修に大幅なエフォートを割いたため、次年度へ繰り延べとし、本年度(平成31年度)に完成させた。平成31年2月には、研究成果を検証するための試作品展示会を開催し、鑑賞者からの意見を求めるべくアンケート調査を実施した。また、これまでの研究成果をまとめた「研究成果報告書冊子」を作製し、広く社会ならびに国民に公表した。
すべて 2019 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (5件)
2019 International Conference,Asia Society of Basic Design and Art.Taichung
巻: 1 ページ: 490
第30回日本基礎造形学会神戸大会概要集
巻: 30 ページ: 27
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